アドラー心理学で一緒に考えてみませんか

アドラー心理学カウンセラーの鍵野が気になったことのあれやこれやを綴ります

読んでから学ぶか、学んでから読むか

おはようございます、鍵野です。

カーテン越しの朝の日差しがリビングを温めてくれているこの感じからすると、今日の上浦も暑くなりそうです。


5月も最終コーナーを回って、週末には6月突入となりますが、ゴールデンウイークから早かったなぁという印象です。かささぎ座(アドラー心理学の心理劇ワークショップ)での体験的な学びが一番のトピックでしたが、コーヒーをやめてひと月以上経過して、もうコーヒーミルは処分してもいいなと思えているのも、これまでにない体験的な学びでした。カフェインに鞭打たれなくても(笑)しっかり仕事もできるし、暮らしていけるんだなぁと。


やっぱり全部自分が決めてるんですよね、何に依存するか(執着するか)ということも。いろんものを手放してきた気がしますが、まだ残っているのが、車はマニュアル車でゴテゴテしていないシンプルなのがいいというところ、ついYoutubeで落語を見て聞いてしまうこと(志ん生と談志のDVDは処分したのに)、ときどきFacebookで友人の近況が気になること、麺類を食べがちなこと、こうしてブログを書いてしまうこと(笑)、家族の幸せ(悪くはないと思うんですが、つい生きとし生けるものよりひいきしてしまうところ(笑))… そして、アドラー心理学ですね、鍵野にとっての執着の大ボスは(笑)。


アドラー心理学と出会ってさえいなければ、仏道修行に邁進してるでしょうに(笑)。っていうのはウソで、アドラー心理学と、野田俊作先生と出会えたからこそ、ビジネスではない仏教に出会えたわけで、そもそもアドラー心理学をちゃんと使えるように、アドラー心理学カウンセラーになりたくて、それで、そういう欲で仏道修行を始めたのでした(笑)。


おかげさまで、あれだけ落ち続けた(きっと歴代トップと思います)カウンセラー試験になんとかギリギリ合格できたのも、チベット仏教に出会って、そこからどういうわけか(結局チベット仏教には帰依できなかった)テーラワーダ仏教に出会って、スマナサーラ先生から学んだヴィパッサナー実践のおかげで、自分の強烈なライフスタイルへの執着が和らいで、相談者さんの目で見て耳で聞いて心で考えてが少しはできるようになったからでした。


なので、アドラー心理学への恩返しとアドラー心理学への執着を離れることを同時に実現するというのが自分の今生の宿題なんだろうなと、そういう形でアドラー心理学を手放せたとき、仏道修行をもう一歩前に進めることができる気がしています。


その辺りを意識すると、6月以降も、参加したい、学びたいことは野田俊作顕彰財団(AIJ)の講座と日本アドラー心理学会の中島先生の講座を中心に、いくらでもあって、そのための時間とお金も捻出すればなんとかならないわけではないのですが、それをやっていてはカウンセラー目指していた欲望全開のころとちっとも変わりがなくて、それは違うだろうと思っているんですね。


前にも書いたと思うんですが、かささぎ座参加をひとまずの区切りとして、自分が学びたいから学ぶという自己執着への道は手放そうと、勇気をもって、もっとカウンセリングの腕を上げたいという欲は手放そうと、つい講座申し込みのボタンをクリックしそうな自分を戒めています(笑)。


行列ができるくらい相談者さんがお見えになれば話は別です。そうなったら、その方たちのために腕を上げるという大義名分ができるので(笑)。かといって、そうなったらいいなぁと思っているわけでもなく、今くらいの、たまにカウンセリングしてますというゆるい感じで暮らしていく方がいいんだろうなと思っています。


本当にカウンセリングで忙しくなりたければ、人口密度の高いところに、しっかり投資して広告宣伝費もたっぷりかけてみれば、とりあえず来てはくれるとは思うんですが(経費が何倍にもなりそうなので黒字にするのは難しそうですが…)、そうしたいわけではないのははっきりしています。


というわけで、やっぱり、あまり忙しくないカウンセリングと経営コンサルティングをやりながら、月に一回はボランティアで勉強会に来てくださった方にアドラー心理学を伝えながら暮らしていくという今の形が、今の時点ではいい落としどころになっているんだろうなぁと。


それで、例によって前置きが長くなりましたが、今日は勉強会に初めて来てくださった、アドラー心理学という名前だけは聞いたことがあるという方の「「嫌われる勇気」は読んだ方がいいんでしょうか?」という質問に関連してアドラー心理学の学び方について考えてみたいと思います。


鍵野がその方にどう答えたかというと…

「読まなくてもいいと思います。どうしても本を読みたいなら野田俊作先生の「性格は変えられる」をお勧めします。じつは鍵野も「嫌われる勇気」でアドラー心理学に出会ったんですが、でも、今思えば、「嫌われる勇気」ももちろんアドラー心理学ではあると思うんですが、ちょっと強調されていることが偏っているというか… 野田先生も勧めてはおられなかったし… 」と、鍵野も、もう一人の何度か参加していただいている方も、「嫌われる勇気」でアドラー心理学に出会ったにも関わらず、お勧めしないと答えてしまいました(笑)。


あの本に出会わなければ、アドラー心理学にも出会っていなかったかもしれず、そうすると仏教にも出会えてなかったであろうとことを考えたら、「嫌われる勇気」は、大恩ある本なんですが、もうアドラー心理学を使っている人に出会えた人(勉強会に来てくれた人)には必要ないと思っています。


あの本に限らず、どんな本を読んでも、野田先生の本でさえ、それを読んでわかるのは、その人がそれまで持っていた意味づけの世界の中での話であって、アドラー心理学は、それを知らない人にとっては、まったく非常識な教えなので、わかるはずがないんです。本を読んで「わかった!」と思えた人は、自分心理学の世界にアドラー心理学用語を勝手に当てはめて誤解しただけで、せっかくアドラー心理学と出会うチャンスだったのに、それを棒に振ってしまったわけで、とても残念だなぁと思います。逆に「なんだ? わかんないなぁ…」と思えた人は、本を読んでよかった人かもしれません。その ? を解消したくなって、実際に生でアドレリアンにあって、話して、質問して、一緒に学んでいく意欲が持てるかもしれないからです。


そういう意味で、本は読まなくてもいいんですね。いい本をいい読み方をしても、結局?をためてるだけなので、リアルにアドレリアンから学ぶ機会を得たときの学習効率は上がるかもしれませんが、でも、本を読む暇があったらアドレリアンに会いに行った方が早いですから。


アドレリアンに交わって、学んで、わかってきてから、本を読むと、「ああ、あれはそういうことか!」というアハ体験もできて、その方がお勧めな気がします。「学んでから読む」ですね。


知らないうちにアドラー心理学の本を読むと、他派と違ってアドラー先生も特別な言葉ではなく日常用語を工夫して説明されていたので、日常用語が頻出するんですが、どれもアドラー心理学的に深い意味を帯びた言葉だったりするので、どうしても誤解してしまうと思います。たとえば「勇気」とか「責任」とかですね。


アドラー心理学を学ぶって、単純と言えば単純で、対人関係において、「自分だけでなく相手も周りの人も幸せになるように行動すること」を学ぶことです。どうしたらそれができるようになるかの理論と思想と技法がアドラー心理学です。アドレリアンとは、「自分だけでなく相手も周りの人も幸せになるように行動すること」を目指して暮らしの中の対人関係コミュニケーションを実践している人たちのことです。学びこみの深さによって、実践できている度合いも変わってきますが、でも、今日初めてアドラー心理学に出会った人でも、そこを目指して実践を始めたならば今日からその人も立派なアドレリアンだと思います。逆に、いくらアドラー心理学の歴史や用語、理論と思想と技法を解説できても、自分がそれを実践しようとしていない人はアドレリアンではありません。「アドラー心理学」学者ではあるかもしれませんが。


なので、ご自分の対人関係で問題と感じることを、アドラー心理学の理論と思想と技法を学ぶことで解決していくことがアドラー心理学を学ぶことであり、アドラー心理学を実践することになります。


ということで、その勉強会に来てくださった、そのとき初めてアドラー心理学に出会った方の次の質問「今日、参加して、アドラー心理学を学びたくなりました! どうやって学んだらいいんですか?」にどう答えたかと言うと…

また勉強会に来てください(無理のないところで)


でした。

それが一番と思います、大分に来やすい方であれば。もちろん、野田俊作顕彰財団(AIJ)とか日本アドラー心理学会の講座で、鍵野以外のアドレリアンと出会って学ぶのもとってもお勧めです。実際、嬉しいことに、鍵野の勉強会のメンバーさん少なくとも2人が、今週末の野田俊作顕彰財団(AIJ)の博多での「葛藤解決」の講座と演習に参加されると聞きました。本当に嬉しいです。他のアドレリアン、先輩方に交わってくだされば、もっと理解が進んでいくと思います。昨年の9月からですが、勉強会をやってきてよかった!と本当に思いました。


やっぱり、鍵野の理解も「嫌われる勇気」に劣らず(笑)、偏りがあるでしょうからね。いろんなアドレリアンとアドレリアン同士学び合うのがいいですよね。ただし、あまりにも理解が違うと面喰うでしょうから、できれば自分の核のようなものができるまでは野田先生の系統で教わった方々、野田俊作顕彰財団(AIJ)か日本アドラー心理学会で学んだアドレリアンと交わることをお勧めします。


さぁ、今日の仕事を仕上げたら、大事な人との旅が待っています。楽しみ!


読んでいただきありがとうございます。

みなさまどうぞよい一日をお過ごしください。


生きとし生けるものが幸せでありますように。