アドラー心理学で一緒に考えてみませんか

アドラー心理学カウンセラーの鍵野が気になったことのあれやこれやを綴ります

相手役

こんばんは、鍵野です。
桜が咲きましたね。既に散って葉が目立つものもあれば、まだまだしっかり満開という感じで咲いているものもありました。あらためて眺めていて、桜って、あの枝がこう広がっている感じがいいのかなぁと思いました。高さと広がりのバランスというんですかね、富士山の裾野に似たような安定感があるような、幹がまっすくでなく、しなをつくっているように見える感じも、なんか色気があるというか、いいなぁと思います。


午前中は仕事の打ち合わせがあって、大分市の方に出ていたんですが、ついでと言ってはなんですが、前回の献血から時間が経って、ちょうど今朝に献血OKになりましたのお知らせメールが届いていたので、わさだタウンで400ml献血してきました。どこのどなたに提供されるかはわかりませんが、病に苦しむ方のお役に立てるのは本当に嬉しいですね。献血前にインドカレーをいただいたので(しかも辛口で)、ちょっとHOTな血液になったかもしれません(笑)。


それで、今日は相手役について考えてみたいと思います。「相手役」と言われてすぐにわかる方は、かなり心理学に詳しい方かもしれませんが、カウンセリングなどで相談するときの、具体的なできごと、エピソードに登場する、相談者のコミュニケーションのお相手のことです。


アドラー心理学カウンセリングでは、必ず具体的な、ある日ある所で一回だけ起こった陰性感情のあるできごと=エピソード、について話していただきます。それをお聞きしないことには、カウンセラーは相談に来られた方の援助に動くことができません。


架空の事例ですが、
カウンセラー:今日はどのようなお話ですか?
相談者:はい。主人のことなんですけど… なんかねぇ、一緒にいるとイライラするんですよ。前からそうだったんですけど、でも、最近特にひどくなったっていうか…。子どもが一緒にいるときはいいんですけど…、二人っきりになると…、いつもなんか余計なことを言うんですよ…。それでイライラしちゃって…。

まだ、この段階ではエピソードは話されてはいないんですね。でも、相談者さんが困っている話はされていて、こういうのをエピソードと区別してレポートと呼びます。いつもこうなんです、というような話ですね。

それで、次にカウンセラーは、
カウンセラー:そうなんですね。何か最近あったご主人との具体的なやり取りについてお話いただけませんか?
というように聞いていく展開が考えられます。

これはエピソードを取材したいからそうするんですが、それは、アドラー心理学ではカウンセリングをまずは科学技術として進めたいからで、それにはまず科学が扱うデータとしての事実を得る必要があって、レポートは相談者の意見に過ぎないんですが(それも大事な材料なんですが)、エピソードについては事実とみなしているからです。

相談者さんは、
相談者:いつものことですけどね… 昨日も、夕飯の後、テレビを見てたんですけどね…、なんか余計なことを言うんですよ。「こいつが犯人のように見えるだろ? でも違うんだよ、絶対。ほらあのさっき出てきた、あいつだよ。前に一緒に働いてたっていう…」せっかく、楽しみに見てるのに…。そんなこと誰も聞いてないのに、ほんと、余計なことを…

それでカウンセラーは、
カウンセラー:それから?
相談者:なんか言ってやりたかったんですけど、我慢してました。顔には出てたとは思いますけど… 黙ってそのまま見てました。無視するって感じではないですけど、言い返したらかえって面倒なことになるから…


という感じで、さらに具体的なやり取りを確認していきます。


今回はエピソード分析の手法を解説したいわけではないので、この辺でやめておきますが、このようなエピソードに登場する、相談者さんにとっての困ったちゃん、このケースではご主人、夫さんが「相手役」ということになります。


この「相手役」ですが、どういう関係の人が一番多いと思いますか?


これまでアドラー心理学による相談について、鍵野が実際にカウンセリングをしたもの、見学したものの数百ケースについて統計を取ってみたのですが…

一番多かったのは、お子さんで、全体の30.5%が自分の子どもを相手役にした相談でした。次に多かったのが、配偶者さん(パートナー)で、全体の22.9%を占めています。

その次、第3位は、職場の上司、部下、同僚で、全体の14.7%でした。

第4位は、実父母で、全体の10.6%、第5位は、知人・友人で全体の8.2%でした。この後第6位はぐっと割合が下がって全体の3.1%で義父母、次の第7位は生徒・児童で全体の2.1%でした。

ちなみに、鍵野がカウンセラー合格後にカウンセリングしたケースについては、配偶者が第1位で、第2位が上司、部下、同僚、3位に子ども、4位に知人・友人でした。


少し考察してみると、ここで対象としたデータは、カウンセラーになろうという人が練習する場面が大半で、その場合、クライエント役として相談される方は、子育てからアドラー心理学に入って、パセージリーダーになって自らもカウンセラーも目指しているという人が結構多くて、それで、相手役として子どもが多くなるのも自然かなと。配偶者との話よりも、みんなが見ている前で話題として出しやすいということもある気がします。


また、カウンセリングの試験では、相談された方の構えが共同体感覚を発揮する方向に、平等の位置を目指して、協力的に変わることも求められるので、その場合、夫さんとか妻さんとかに対するよりも、お子さんに対する方が構えが変わりやすい、お子さんには譲れるけど、パートナーとか親には譲れない(笑)という傾向があるので、どちらのエピソードもあるのであれば、お子さんとのエピソードの方が歓迎されるということもある気がします。そういえば鍵野もほぼほぼ子どもとのエピソードしか出していない気がします。


とはいえ、お金をいただいてカウンセリングする場合は、やっぱり一番困っていること、夫さん妻さんとの話が多い気がします。お二人で来られることもあって、それはそれで話が早いのですが。次に職場かなぁ…、もちろんお子さんとの話もあるんですが、パセージで解決することも多いですしね。職場の話は好きなんですけどね、経営コンサルタントとしていろんな業界の経営者さんたちの相談を受けてきた経験と、自分自身も大企業にベンチャー企業、官公庁、自営業と、様々な職場で働いてきた経験も活かせますし。この辺り、ウリにしてもいいのかもなぁ(笑)、なぁんて。


でも、じつは最近一番面白いなぁと思っているのが、具体的な相手役がいない相談なんですね。こんなこと言うと先生方に怒られそうですが、一見、エピソード分析できなそうなのを「エピソード分析」するのがじつに楽しい(楽しんでちゃいけないかもですが)。


相手役がいないといっても、そこはアドラー心理学ですから、本当はいます。社会統合論、対人関係論ですから。悩んでいる困っているということは、対人関係の悩みに決まっている(自信をもって決めつける(笑))ので、少し手順を踏みますが、しっかり「エピソード分析」に持っていけます。絶対にエピソードはありますから。最近ではないにしても…


ということで、そういった一見相手役がいなさそうな相談を、一応別分類で「セルフ」という相手役にして統計を取っているんですが、じつは結構あって、鍵野への相談の6.1%がそういった相談になっています。これからも大歓迎です(笑)。


と、今回何か主張があるわけのテーマではないんですが、相手役の違いという視点で、相談事例を見てみるのも面白いかなぁと思って書いてみました。何かの参考になれば幸いです。


読んでいただきありがとうございます。

みなさまどうぞよい夜をお過ごしください。

生きとし生けるものが幸せでありますように。