アドラー心理学で一緒に考えてみませんか

アドラー心理学カウンセラーの鍵野が気になったことのあれやこれやを綴ります

カウンセラーへの道

<2023年11月10日wrote>
こんばんは、鍵野です。
今週は特にこれといったイベントもなく平常運転平穏無事なウィークデーでした。
ボールを投げたままでまだ返ってこない大きな仕事と、もう一つ新しく大きそうな仕事がそろそろ始まるという話もあったので、それらが動き出すと急に忙しくなるはずで、できたら今週まだ余裕のあるうちに始まるといいなぁと思っていたのですが、まぁこちらの都合通りにはいかないですよね、たくさんの人が関わる仕事なので。ウォーミングアップはしながら声がかかるのを待ってます(笑)。幸い、ヴィパッサナー実践のおかげで、すぐにピークの力は出せて集中も続くので、始めてしまえば早めに形にはできるかなぁと。カウンセリングの方で忙しい方がいいんですが、まぁ贅沢は言えませんね。
 さて、このページもどんどん、アドラー心理学、しかもカウンセリングに振っているおたくなページになってきていますが、今回は、アドラー心理学カウンセラーになりたいという奇特な(おっと失言(笑))、いや貴重で意欲的な方に向けて、その道のりを考えてみたいと思います。ただし、ここで「アドラー心理学カウンセラー」と言っているのは、野田俊作顕彰財団(AIJ)認定カウンセラーと日本アドラー心理学会認定カウンセラーに限っています。その他のいくつあるのか把握していないのですが、アドラー心理学という名前のついている団体の資格については全然知らないので対象外とさせてもらいます。
まず、押さえておかなければならないのが、原則として守秘義務のある援助職についている方を対象にしているということです。想定されているのは、恐らく、臨床心理士(伝統ある民間資格、公的機関の心理職やスクールカウンセラーをされている方が多いが開業されている方も)、公認心理師精神保健福祉士、医師、看護師、保健師、といったところでしょうか。作業療法士とかも入るのかなぁ…わからない。最近では、国家資格となったキャリアコンサルタントも一応入るのかなぁ…。あと産業カウンセラー民間資格だけど対象っぽいですよね。鍵野は、中小企業診断士として守秘義務のある国家資格保持者で援助職といえば援助職ですが、どうなんだろう? 米国の学会誌とかを見てると普通にビジネスの話もありそうなので、対象にしてもらってもいい気もしますが、本当はちょっと対象外かもなぁという感じではいました。弁護士、司法書士、税理士、公認会計士も入るのかな? 行政書士というとちょっと違う気もするなぁ。でも、原則ですからね、実際にカウンセラーになった方を見ると、特に援助職ではない方もたくさんいらっしゃいます。でも、そういう方は、ほとんどの方がカウンセラーになる前に家族コンサルタントという資格を取って、パセージリーダーとして、みなさんを援助しているので、やっぱり援助職なのかもしれませんね。なので、現在援助職の方はここはクリアですね。そうでない方は、まずは家族コンサルタント兼エオレクトファシリテーター日本アドラー心理学会)とかパセージリーダー(野田俊作顕彰財団)を取ってからがよさそうな気がします。
次にですね、当たり前といえば当たり前なんですが、アドラー心理学を頭で理解しているだけではなくて、実践して身体も含めた全体で理解できて、使えるようになっていないとですね、相談に来られた方をアドラー心理学で援助するなんてできるわけがありませんので、自ら実践しているというのが必須条件になりますね。で、実践って何すればいいのっていうと、具体的には、パセージとかエオレクトとかのプログラムを受講して、自分の暮らしの中で起こる出来事をアドラー心理学的に解決していく経験を積み重ねるということですね。理屈からしたら、日々の暮らしの中の出来事を、アドラー心理学の理論に沿って自ら解決していく経験があればいいはずで、パセージとかエオレクトを受講しなくてもいいんでしょうが、たぶんそういうプログラムがないとどうやったらいいかわからないと思います。あるいは、定期的にカウンセリングを受けて、実践していくというのもそんな環境があれば、できるはずと思います。いや、むしろ早いはずとは思います、実践しながらマンツーマンで直接教えてもらえるから。あとは…これ鍵野が、いつかどなたかカウンセラーを目指すけどパセージとかエオレクトとかは受けないという方と、一緒にチャレンジしてみたいと思っているんですが、「エピソード分析」をマスターしてもらって、自分で「エピソード分析」をし続けるという道…まだ実績ゼロですが(笑)、もし希望される方がいたら、お手伝いしますので言ってください! 子育ては終わっている、お子さんがいない、という方にはいい方法ではないかなと思っています。(2023/11/11追記:おっと!大事なことを書き忘れていました。自助グループです。アドラー心理学を学んでいる人同士、定期的に直接会って、日頃の実践状況を共有して、勇気づけ合うという、一番大事な活動を漏らしていました… 鍵野は、現在、3つの自助グループに参加させてもらっている(つもりな)んですが、なんかレギュラーメンバーではなくて、行けるときに混ぜてもらっている感があるので、こうやって書き忘れてしまうんだなぁ…。そもそも、自助グループをベースキャンプに学び方や各講座開催の情報もシェアしながら、それぞれが各地で学んだことを伝え合ったり、自分たちが核となって、講座を誘致したりして学んでいく中で、自助グループが私たちのパセージリーダーやカウンセラーを輩出していくというのが、きっとアドラー心理学の治療共同体としてのあるべき姿なんですよね。なので、カウンセラーを目指される方は、近くの自助グループをみつけて仲間に入れてもらってください。そこからあなたの学びが始まります。えっ、近くにない? いや、ありますって、同じ県にはなかったとしても、隣の県、その隣の県、さらに隣の県くらいまで行けばきっとあります。そこに通うくらいの根性がなければカウンセラーはあきらめた方がいいと思います。合格までにはもっと根性いりますから(笑)。)
それから、野田俊作顕彰財団で言えば、アドラー心理学基礎講座の応用編と理論編を受講していること。できればパセージとパセージプラスも受講しておきたいですね。カウンセリングの試験が「エピソード分析」という野田先生が晩年に開発された日本語でアドラー心理学カウンセリングするのにうってつけの方法を使うのが条件になっているので、その「エピソード分析」をたっぷり練習できるパセージプラスは受講必須に近いですね。で、パセージプラスを受講するにはパセージ受講が条件になるので、こちらも必須に近いということです。そして、カウンセリング講座を受講していること。カウンセリング講座では、先生方や他の人のカウンセリングを見て学ぶ(見取り稽古)ができるし、もちろん自分がカウンセラーになって実習できるし、クライエント役になって学ぶこともできます。鍵野も何回も受講して(秘訣講座カウンセリングという名前でしたが)実習させてもらいました。それから、年に一回開催の4日間×2週のカウンセラー養成講座を受講して、そこで実際にカウンセリングをする試験があり、合格すると晴れて野田俊作顕彰財団認定のカウンセラーになれるんですが、試験を受ける前に、一度や二度は見学参加しておいた方がいいと思います。できれば、クライエント役に立候補するとですね、試験を受ける人の助けになりながら、アドラー心理学カウンセリングを体験して学べるので、おすすめです。カウンセラー養成講座は定員8名で指導者が許可した人だけが受講できます。ちなみに今年は人数が少なくて開催されませんでした。野田俊作顕彰財団は全部対面の講座です(今現在)。試験は30分でチャイムが鳴って、そのときダメそうならそこで終了、解決に向かいそうであれば続行させてもらえて、しっかりアドラー心理学の援助になったカウンセリングとして最後まで行けたら合格です(と理解しています)。
日本アドラー心理学会もですね、対面のカウンセラー養成講座が年に一回あって、今年は2日間×2週でした。定員20人ということでしたが(見学20人で合わせて40人)、来年は減るのかも…( 受講者が多いと一人当たりの試験の回数が減るのでちょっと厳しそうだし(鍵野の感想です)。)こちらも、実際にカウンセリングをする試験があります。20分で、このままいったらアドラー心理学的解決に向かいそうだなぁというところが見ている指導者にわかれば合格という感じと理解しています。カウンセラー養成講座受講前に、アドラー心理学中級講座というシリーズのオンライン講座を受講するという条件があったと思います。今年からシステムが変わってリニューアルスタートしたので、あまりよく把握していません、すみません。カウンセラー養成講座の受講条件など詳しくは日本アドラー心理学会に問い合わせてお聞きください。
野田俊作顕彰財団でも日本アドラー心理学会でも、みんなの見てる前で、試験を受けるので、合格でも不合格でも、その結果にちゃんと納得できます。やらせ等まったくない実力がはっきり出る世界です。前にも書きましたが、鍵野は十数回試験を受けてようやく合格できました。こんなに試験を受けられたのは、カウンセラー養成講座を2回受けたのと(一回の受講で4~6回くらい受験チャンスがある)、その合間にあった秘訣講座カウンセリングでも試験を受けられたからです(一度、カウンセラー養成講座を受講した人は、その後の公開講座のカウンセリング実習で希望すれば試験が受けられた)。
私は、カウンセラーを目指してから合格まで5年かかりました。3年で合格できるだろうと身の程知らずで初のカウンセラー養成講座を2020年に受講しましたが、まったく歯が立ちませんでした。でも、「エピソード分析」の型は身につけることができたのが大きな収穫でした。そこからは、個別に先生を招いてカウンセリングを教えてもらえる場を作られているところに参加させてもらったり、上にも書きましたが、秘訣講座カウンセリングに参加したり、日本全国いつでもどこでも「エピソード分析」を練習できるなら行きますという勢いで学びました。コロナ過もあって、2022年が次のカウンセラー養成講座で、ここにまた参加させてもらえて、その年7名参加して、みなさん優秀でどんどん合格されていきました。私は、前半の試験でない実習ではいい感じだったものの、試験に入ったら失敗続きで、最終日の試験も不合格で、実力だから仕方はないけど、合格を信じて待ってくれている娘に申し訳ないなぁと情けない気持ちにもなっていたのですが、先に合格された方が作ってくれた時間のおかげで追試のチャンスをもらえて、そこでクライエント役をしてくれた仲間の助けのおかげで、私が7人目、最後の合格者となれたのでした。ほっとしたのと責任重大なのとで、「やった~!」という感じではなかったです。ギリギリようやく合格の感じが、調子に乗るなよと教えてくれている気がしました(相変わらず調子に乗ってますが(笑))。
ぜひ、その気がある人には、アドラー心理学カウンセラーを目指してほしいです。はっきりいばらの道ですが、痛くてもステキな経験ができます。成長できます。そして、アドラー心理学のよさ凄さを実感できると思います。最終的に合格できなかったとしても、その経験は決して無駄にはなりません。実際、鍵野も最初のカウンセラー養成講座で不合格になってからが、本当のアドラー心理学実践という感じでした。おかげで、家族とも本当に協力できる仲間になれたし、たくさんの幸せを経験できました。
大分県、九州にお住いのカウンセラーを目指すみなさま(大きく出た(笑))、何か鍵野にお手伝いできることがあれば言ってください。できるだけのサポートをさせていただきます。この大分県、九州にもっともっとアドラー心理学カウンセラーが増えて欲しいんです。悩んで苦しんでいる人がたくさんいます。アドラー心理学の援助が必要な方がたくさんいらっしゃいます(まぁちょっと暇な時もありますが、それは鍵野の問題なので(笑))。ぜひ、この素晴らしい仕事を未来に繋げていきましょう! よろしくお願いいたします。
読んでいただきありがとうございます。
みなさまどうぞよい週末をお過ごしください。
生きとし生けるものが幸せでありますように。