アドラー心理学で一緒に考えてみませんか

アドラー心理学カウンセラーの鍵野が気になったことのあれやこれやを綴ります

アドラー心理学を実践するということ

こんばんは、鍵野です。
今日は大分市の稙田公民館で「大分でアドラー4月の会」を実施しました。
月一回開催中の勉強会で、アドラー心理学に関してのなんでもQ&Aと、参加者どなたかの最近気になっていることをみんなで「エピソード分析」してみようという会です。毎回参加者は多くはありませんが、それだけに熱心に参加いただけていて、お聞きした感想などからも、みなさん今よりも一歩さらに幸せな暮らしに向かって、何かしら今の自分に必要な何かを持って帰ってもらえているようです。


Q&Aでは、悲惨な第一次大戦を経験したアドラー先生の平和への願いが込められた心理学であることに重点を置きながら、アドラー心理学の歴史についてもたっぷり語らせてもらいました。いつの間にかホワイトボードいっぱいに何か書いてました(笑)。他のことは別ですが、アドラー心理学についてであれば、何を聞かれても大丈夫です(知らないことは知らないというだけのことですが(笑))。


あらためてアドラー心理学が好きなんだなぁと再認識しました。なんとしてでも伝えたい、広めなければというようなカウンセラーを目指していたころのような切迫感は、全然なくなって、鍵野と縁があった人にだけお伝えできれば十分だと思えてきたので、あまり執着のないさらっとした感じで会場に入れたのですが、いざ質問をいただいたら、スイッチが入ってしまったというか、一を聞かれて十というか百を答える感じで、そんなことまで聞いてないよというようなことまでお伝えしてしまった気がします。嬉しいんですよね、ライフスタイルですけども…自分が知っている大事なことで貢献できている感が(笑)。


「エピソード分析」も、まぁ野田先生が日本語話者に遺してくださった宝であり優れものであって、ちゃんとやれば当たり前の結果なんですが、しっかり参加者のお役に立っていました。気になっていた出来事を自分だけでなく相手役の視点からも味わってもらえましたし、冷静ながらも温かく分析することができました。暮らしに戻って試してみる具体的な代替案を持ち帰っていただけました。これが、アドラー心理学の実践なんですよね。エピソード分析しながら暮らすことが。


それで、参加者の方から「自分でも分析できるんですか?」という質問があって、これは自分の色眼鏡で自分の色眼鏡を分析するようなものなので、おすすめしませんと答えました。自助グループで、仲間同士で「エピソード分析」し合うのがいいですね、と。そのために、そこへの足掛かりとして、今回の勉強会もやってるんですよね。


AIJ認定カウンセラーのカウンセリングに来ていただければ、そりゃぁ「エピソード分析」によるカウンセリングを受けることでアドラー心理学を実践いただけるんですが、みなさんの周りにAIJ認定カウンセラーはそうそういないでしょうし、カウンセリング費用もかかりますしね。なので、みんなで「エピソード分析」ができるようになって、「エピソード分析」し合って、暮らしていくのが、いいなぁ、理想だなぁと思っているんです。


落語に出てくる、長屋のご隠居さんのような感じで、いつでも困ったことがあれば相談できる人がいるって心強いと思うんですよね。お互い同士が身近な相談役になって欲しいなぁ、そうやって暮らしていけたらもっとみんな幸せに暮らせるよなぁというのが鍵野の願っていることです。


しかも、「エピソード分析」を身に付ければ、その相談が、ご隠居さんの人生経験とかではなく、アドラー心理学という科学理論に沿って行えるようになるわけですから、校区に一つや二つは「エピソード分析」のできる自助グループがあったらなぁと願ったりします。お金を支給するより、よっぽど子育て支援になる気がするんですが、どこかの政党がやってくれないかなぁ(笑)。


アドラー心理学カウンセラーを増やすというのは現実的ではないけれど(年に数人ずつしか合格しないし)、グループで「エピソード分析」をし合えるというレベルであれば、しっかり学べば誰でも到達できるはずです。


ただ、今のところはパセージを受けた人限定で、その上級編としてのパセージ・プラスという子育て学習プログラムの中でしか、公式には「エピソード分析」を教わるところはないので、カウンセラーを目指すというような人(こういう人はいくらでも学ぶ道をみつけて学んでいるはず)を除いては、子育て学習プログラムを通らなければ「エピソード分析」を学べないのが現実です。


ということで、ちょっと非公式プログラムではありますが、鍵野の責任で、この人なら大丈夫と思える人には、希望があればグループでできるレベルの「エピソード分析」を教えています。育児を卒業した人で、パセージとパセージ・プラスは受けないけれど、でも、真剣にアドラー心理学を実践したいという人のニーズに応える責任はあると思うのでですね。アドラー心理学を教えるのであれば「どうやってアドラー心理学を実践したらいいのか?」に応えないと寝た子を起こしただけになってしまうようで嫌なので。


誰にでも教えるわけではないのは、「エピソード分析」は、やっぱり切れ味の鋭い包丁のようなものという一面はあるので、やたらと振り回すと危ないからです。ご自分も傷つけるし、勘違いしてアドラー心理学を知らない人に「エピソード分析」を使ったらケガをさせてしまう危険性が大です。グループでの「エピソード分析」は、あくまでも互いに(生きた)アドラー心理学を学んだ人、体験した人同士でやるからなんとかなるのであって、カウンセラーでもない人がアドラー心理学を学んでいない人、体験していない人に使ったら危ないからです。そういうレベルで「エピソード分析」を使いたいという人は、素直にAIJのカウンセラー目指してイバラの道に飛び込んでください。決しておすすめはしないけど(すすめられてなれるようなものではないですし)、飛び込んでしまったならば応援します(笑)。


死ぬまであと何人の方に「エピソード分析」をお伝えできるかわかりませんが、縁があれば、鍵野が知っていること掴んでいることできることは惜しみなくお伝えします。


来月の「大分でアドラー5月の会」は5月25日(土)10:00~12:50 大分市稙田公民館研修室Bで開催します。興味のある方は、まずはお気軽に参加ください。ご予約なしでも大丈夫です。お会いできるのを楽しみにしております。


読んでいただきありがとうございます。

みなさまどうぞよい夜をお過ごしください。


生きとし生けるものが幸せでありますように。