アドラー心理学で一緒に考えてみませんか

アドラー心理学カウンセラーの鍵野が気になったことのあれやこれやを綴ります

仏教と似てる?

こんばんは、鍵野です。
ものすごく充実した週末でした。
それというのも仏教のお師匠様、スマナサーラ先生の大分講演会が土曜日に、続けて今日日曜日は一日たっぷり初心者瞑想指導&実践会でした。私も朝&昼食抜きで、5時間くらいはヴィパッサナー実践できたのではないかと思います(立つ瞑想、歩く瞑想、座る瞑想)。(特に瞑想が進んだ感じはないけれど…まぁ)よかった! 明野の明西寺さん(単立の浄土真宗のお寺さん)が主宰でもう十何年か続いている有難い会です。昨年も参加したのですが、今回も、スマナサーラ先生の4時間たっぷりのご法話が、一緒に参加してくれた始めて法話というものを聞いた元妻も、全然長く感じなかったと、参加してよかったと言ってくれました。特に「感情に振り回されないように」というお話が印象に残ったそうです。鍵野が一番印象に残ったのは、「嫉妬で世界戦争はしない。「私が正しい」という自我が戦争を引き起こす」というお話でした。そして、そういう人が他人も正しいというのは、自分に賛成する人に対してだけだと。それで、大事な仲間だと思っていても、一人ひとり違う主観を生きているのだから、本当の仲間はみつからないのだと。なんかですね、アドラー心理学が言っていることと似てますよね、というか同じこと言ってる気が…。もちろん、お釈迦さまは真理を語ってくださったのに対して、アドラー心理学は、便利を語っているだけなので、全然違うと言えば違うのですが、ひょっとしてアドラー先生は仏教勉強してた? いや、ある段階まで悟られた方の生まれ変わりではと思ったりします(笑)。

アドラー先生の息子さんのクルト・アドラーのインタビュー記事があって(Classical Adlerian Depth Psychoterapy Instituteのホームページに)、"Yes, we are all atheists. "とアドラー先生も自分も無神論者だと答えています。アドラー先生はユダヤ教からプロテスタントに改宗してるんですが、子どものためにしたんだろうと。当時の社会情勢で無所属は許されなかったからそうしただけだと答えています。

(2023年12月4日追記)
アドラー先生の伝記"The Drive for Self"によれば、アドラー先生はニューヨークタイムズのリポーターに「どんな宗教でもそれが共同体感覚、全ての人がきょうだいであると教えてくれるものであれば、それはいいものだ」と請け合ったそうです。アドラー心理学の思想、共同体感覚につながるものとして認めていたんですね。
(追記終わり)

西欧で「無神論者」って言うの勇気がいるんでしょうね。だから、日本人も「仏教徒」だと答えておいた方が無難だというのを読んだことがあります(無神論者と言ってしまうと、どういう意味かしっかり説明しないとさらっとは流してくれないとか)。仏教は法事だけだし、クリスマスは大好きだし、初詣もするし、気分的には「無神論者」という人が多い気がしますけどね。この場合の「仏教徒」は信仰対象として、大日如来とか観音菩薩とか阿弥陀如来とかというものを持っている大乗仏教の人を指していると思います。もともとのお釈迦さまの教え、初期仏教は本来の意味での宗教ではありません。スマナサーラ先生がいつも教えてくださることですが、やり方を学んで実践すればわかる、信仰はいらないんだと。だから、スマナサーラ先生は「無神論者」好きなんですよね、そういう方々の方が素直に仏教を実践できるって。お釈迦さまを信じるというのは、信仰対象としてではなくて、あくまでも師匠として先生として、教えてくださったことをやってみようと思える程度には信じるのであって、最終的には、お釈迦さまを信じようが信じまいが、その通りにやってみれば同じことがわかってしまうという世界なんですよね、すべての生命に共通の真理だから(それでもその通りに実践できるのはほぼ人間だけということですが)。だから、もしアドラー先生が仏教徒の生まれ変わりだったとしたら、きっと初期仏教(テーラワーダ)だったはず(笑)。

そして、今日12月3日は、野田俊作先生のご命日です。3年経ったんですね。アドラー心理学はもちろんですが、法事としてのではなく、生きた教えとしての仏教に出会えたのも野田先生のおかげです。チベット仏教をご紹介くださって、チベットのお坊様のご法話を聴かせていただいて、その縁もあって、初期仏教にも出会えたのだと思っています。野田先生も輪廻転生を信じておられたはずなので、今頃どこで何歳になられてどんなことをされているかなと想像してしまいます。超絶賢いお子さん(乳児かなまだ)として周囲を驚かせておられるのかなぁ。先生には直接カウンセリングをご指導いただくことは叶いませんでしたが、後継者としてご指名になられた大竹優子先生、中井亜由美先生から、「エピソード分析」によるカウンセリングを中心に大事なことをしっかり教わることができました。また、古くからのお弟子さん生徒さんである、中島先生を始めとする先生方先輩方からもたくさんのことを学ぶことができました。みなさん個性的な方々ですが、何かを教わるとき「野田先生は~」「野田先生が~」とか野田先生から教わったこと、野田先生とのエピソードを聞かない方が珍しいくらいです。鍵野も、野田先生の最晩年の弟子の一人として、先生から教わったアドラー心理学を必要とする方に、しっかり伝えていくことでせめてもの恩返しをと思っております。野田先生がいらっしゃらなかったら、今もきっと勘違いしたまま目標追求にあくせくして暮らしていたと思います。アドラー心理学を教えてくださって本当にありがとうございました。

読んでいただきありがとうございます。
明日もどうぞよい一日を。

生きとし生けるものが幸せでありますように。