アドラー心理学で一緒に考えてみませんか

アドラー心理学カウンセラーの鍵野が気になったことのあれやこれやを綴ります

アドラー心理学を伝える仕事

<2023年11月9日wrote>
こんにちは、鍵野です。
今日は空が白くて雲が多く、少し肌寒い佐伯上浦です。
基本、年中無休で仕事をしていることになっているんですが、まぁ相手次第のお仕事なので、実際は開店休業状態も多く(笑)、のんびり過ごすことも多いです。「焚くほどは風がもてくる落葉かな」を座右の銘(笑)に、なんのあてもなく東京から大分に移って独立開業して12年目になりますが、なんとか暮らしてはいけているし、この後もまぁなんとかなるだろうと(笑)、ゆったり構えています。
 結局、経営コンサルティングもそうですが、アドラー心理学を押し売りしても相手に迷惑なだけで、やっぱり必要な人が必要なときに必要なだけ供給すればいいのでですね、もっと売って稼ごうというようなものではないんですよね。アドラー心理学を供給して、それ相応の報酬をいただけて、受け取った相手がアドラー心理学を使うことでそれまでよりも幸せに暮らせるようになったら、もうそれ以上言うことなくてカウンセラー冥利に尽きますね。1日24時間365日動けたところで、私一人にできることはたかがしれています。日本の心理カウンセリングの市場規模は350億円だという資料を見たことがあります。適当ですが、平均単価7000円として、一人当たり平均利用回数6回として、日本の総人口約1億2千4百万人で計算してみると、約83万人の利用者がいることになります。日本人の1000人に67人の利用者がいることになります。勝手な推計ですが、100人に1人はいないんだなぁと、ちょっと少ないなぁという感想です。それで、鍵野のこれも勝手な設定ですが、ここ「アドラー心理学で考える佐伯上浦鍵野の家」の商圏人口が約60万人います(遠くからも来てくださる方はいるので大きく出ました(笑))。とすると心理カウンセリング利用者が4000人いることになります。この1%のシェアが取れると、40人ですね。2週に1回40人の方が来られるとしたら、週に20コマ稼働する必要があります。1日4コマとしたら5日間フル稼働でようやく対応できる。
(※間違ってましたので、訂正します(2023年11月10日追記)。1人6回利用で計算したので、これでは40人×6回=延べ人数240人で48週で割ると1週間に5人だけ…となってしまいます。ちょっと寂しいかも。ということでフル稼働から逆算すると、48週×20コマ=延べ人数960人となり、960÷6回(平均利用回数)=160人となって、必要シェアは、160÷4000=4% となりますね。2%で十分かな、目標シェアは。週に10人ということで。)
うーん、まさに捕らぬ狸の皮算用ですが、忙しすぎますね、勉強の時間もあるし、ちょと無理だなぁ(笑)。さぞ儲かるかと思いきや、正規の料金をいただけたとしても、たいしたことはないですね。一番稼いでいた時の何割だろう…。まぁ、もっと便利なところでカウンセリングルームを開いたなら、多少は現実味を帯びてくるかもしれないんですが、いまのところ全然心配する必要はなさそうです(笑)。
自分と縁があった方にアドラー心理学を伝えられたらそれで十分だと、お釈迦さまのお話を読んですごく納得しました。超人であるお釈迦さまと自分を比較するなんて恐れ多いことはたはだしいのですが、人に何かを伝えることを仕事にしてらっしゃる方にはとても参考になる話だと思うので紹介させてください。
お釈迦様は最上の師匠なので、説法するときの説得力は最大です。しかし真理・道徳などにぜんぜん興味のない、財産・名誉の獲得を生きる目標にしている人々に強引に説法しても、猫に小判なのです。逆にお釈迦様に対して嫌な気持ちを抱いたならば、その人のこころに余計な罪が生じることにもなる。お釈迦様の時間も無駄になります。
(中略)
お釈迦様がナーランダ町におられた時の話です。刀鍛冶屋さんがお釈迦様に質問します。「釈尊は一切の生命を哀れんでいるのではないでしょうか?」
お釈迦様「はい。如来は一切の生命を哀れんでいます。」
刀鍛冶「では、なぜお釈迦様はある人には丁寧に詳細に説法をなさって、ある人には丁寧に説法なさらないのでしょうか?」それでお釈迦様が、喩えを用いて説明するのです。
あるお百姓さんに、畑が三つあります。ひとつはとても肥沃な土地、ふたつは中くらいの土地、三番目は森のそばにある石ころだらけの荒れた土地です。「居士よ、その百姓が先にどんな畑を耕すと思いますか?」居士が答える。「尊師よ、まず肥沃な土地を耕します。次に中くらいの土地を耕します。もし時間があるならば、牛の餌にでもなるのではないかと思って荒れた土地も耕します。」
お釈迦様が語る。「私にとっては、比丘たち比丘尼たちは肥沃な土地のようなものです。彼らにとても丁寧に詳細に真理を語る。間もないうちに、一切の苦しみを乗り越えて解脱に達するだろうと期待する。彼らは私に頼って、私を指導者にして、私を灯火(ともしび)にして出家しているのです。 次に、在家の男性信者・女性信者は、私にとってまずまずの土地と同じなのです。彼らにも丁寧に説法する。なぜならば、彼らも自分の人生の導きとして、私に頼っているのです。私を灯火にしているのです。 最後に、他宗教の人々にも説法するのです。もし彼らが一言葉でも理解することができたならば、それは彼らにとって長くに渡る幸福をもたらすからです。」
あの偉大なお釈迦さまでさえ、全人口からしたらごくごく僅かの方を導かれたのでした(その教わった方々から教わることができたおかげで我々も学ぶことができているのですが)。アドラー先生もそうでしょうし、ドライカース先生も、シャルマン先生も、野田先生もそうでしょう。もちろん、私などとはくらべようもないくらいの多くの人にお伝えになられたけれども、それでも限られた人ということには変わりがないなぁと。
今生が尽きるまで、あと何人の方にアドラー心理学をお伝えできるのか、それこそお釈迦さまでもわかりませんが(無常=未来のことはわからないから)、できる限りのことはしていきたいと思っています。
読んでいただきありがとうございます。
みなさま今日もどうぞよい一日を。
生きとし生けるものが幸せでありますように。