こんばんは、鍵野です。
昨日は福岡で月一回ペースで開催されている「エピソード分析」の学習会に参加してきました。宮崎県から来てくださった方もいて嬉しかったです。いつものインド(ネパール)カレー屋さんでランチを楽しんでからスタートするのが恒例になってるんですが、カレーの種類はたくさんあるのに、迷いはするものの、たいていはホウレン草カレーに落ち着きます。辛さは中辛が合ってるみたいです。アドラー心理学中心にいろんな話をしながら、みなさんナンをお替わりして(無料サービス)、美味しくいただきました。暑いところのお料理だからかですかね、食べた後は、外の暑さがあまり気にならなかったです。
例によって、往復下道ドライブだったんですが、昼のピークの時間帯はエアコンがあまり効かなくて、でも、外気はさらに暑くて窓は開けられず…、ちょっと苦行チックではありました。走行距離18万5千キロを越えて頑張ってくれているミラですが、エンジンオイルが減る問題は、まぁ補充すればいいということで解決しているものの、エアコンはもともとなのかもしれませんが、真夏の昼間にはキャパオーバーという感じで、今年の夏は我慢するとして、来年の夏が来るまでには、買い替えを検討しないとかなぁと…(喉元過ぎれば…で、来年も我慢しそうではありますが(笑))。
片道5時間半くらいのドライブになるので、3回くらいコンビニに寄るんですが、夏休みということでお客さんも多くて、お店によってはドリンクやおにぎりが売れてしまって棚がスカスカのところもありました。もうだいぶ前からですけど、おにぎりとサンドイッチの値段が上がりましたよね。百円台のサンドイッチがあった時代が噓のようです。それで、何か食べようと思ってコンビニで2~3点買うと、外食とあまり変わらないお会計になるので、それなら外食チェーンに行った方がいいかなとも思うんですが(かえって安いことも)、幹線道路ではなくて山道中心のドライブなので、もっぱらコンビニのお世話になっています。
「エピソード分析」の学習会ですが、今回も実習をさせてもらいました。やっぱり他の人が見てくれているところでカウンセリングするというのは、普段の相談者さんと一対一のカウンセリングとは全然違う経験で、また、アドラー心理学では、むしろオープンなこちらのやり方の方が、アドラー先生以来の伝統的なスタイルでもあり、毎回とても勉強になる貴重な機会で、本当にありがたいことだと思っています。
そして、カウンセリング実習ができるのは、まずは相談者役で出てくださる方がいらっしゃるからこそできることなので、毎回実際に気になっていること困っていることを事例としてみんなの学びのために提供してくださるその勇気に感謝しています。ありがとうございます!
今回は初めてアドラーカウンセリングを見る方もいらしたので、その方からどう見えるのかどう感じるのか、その辺りのフィードバックも楽しみにしていました。もちろん、先輩方のコメントも楽しみに。
事例の内容については書けないのですが、アドラーカウンセリングですから、共同体感覚の育成を目指すところで、それは毎回決まってると言えば決まってるんですが、今回のカウンセリングでのその具体的なゴールはどこなのか? 今回の事例も、そこがとてもデリケートで難しい事例だったなぁと思いました。どこを目指すかの合意、協力的な暮らしに向けた目標の一致をどこで取るのかについて、今よりも一歩というそこを見極めて提案して、控えめになり過ぎずかつ欲張りすぎず、ギリギリ抵抗されない地点で合意してもらうプロセスが、スリリングというか、慎重かつ大胆さも求められる感じで、ちょっと間違うと勇気くじきをしてしまいかねないところを、地雷を踏まないように気をつけながら進んだカウンセリングだったなぁと、振り返って思いました。またまた大変いい経験を積ませてもらえました。
アドラーカウンセリングである以上、いつも「どこがアドラー?」に答えられるカウンセリングである必要があると思っているんですが、今回のカウンセリングは、どうだったのか?
ご自分がナチュラルに発揮しているストレンクスを認めてもらって、そこを活かしてそこに自信を持っていただけるからこそ辿り着いた目標の一致点がアドラーではあったのではないかと思っています。相手を跳ねつけるのでもなく、無理に近づくのでもなく、自分も相手も静かにやるべきことをやるといった、新たな暮らしのイメージが描けたのはよかったかなぁと。
その暮らしは、ぱっと見には、協力的に見えないかもだし、実際、事例提供者さんも「こんなのでいいのかな?」という戸惑いもありながら合意に至る感じでしたが、それでも今より一歩、いや、半歩、少なくとも1ミリ先には進んでいるであろう目標と代替案を持ち帰ってもらえたところに、少しはお役に立てたかなと思えてはいます。
見ていただいた方々からの質問とフィードバックですが、今回初めて見ていただいた方からは、「エピソード分析」について具体的な質問がありました。対処行動の決め方と感情の大きさとの関係についての質問だったのですが、おかげでそのあたりについて大事なことをお話しすることができました。
また、実習で、クライエント(相談者)役をするときに、他の人から聞いてきたエピソードを本人のつもりで相談するというようなことは可能かということも聞いてくださいました。新鮮で面白い質問だなぁと思いました。そういうことは考えたこともなかったのですが、そうか、そういう相談って世の中ではありうるのかもなぁとも思い、直感的にそれはできないという答えは明白なんですが、じゃぁ、なぜそれができないかをアドラー心理学の理屈から答えることができて、貴重な機会だったなぁと感謝しています。アドラーカウンセリングは、他人を変えるお手伝いではなくて、相談に来られた人自身が変わることで問題が解決するとか困ったことが困ったことでなくなるためのお手伝いをするので、ご本人が来られないと成立しないというような話をしました。
ただ、こう書いていて、ひょっとしたらカウンセリングの手順、「エピソード分析」のお点前をとりあえず身に付けるという準備段階の訓練としては、本当は自分のことじゃない模擬相談的な設定でも、基本の手順を頭に入れて動けるようになるために行うのだったらありなのかなぁと思わないでもないです。もう知っている事例でも何度も反復練習をして、「エピソード分析」で通るべき道は全部通りましたよというレベルになるのは意味があるかもしれませんね。運転免許を取るとき、まずは自動車教習所の所内のコースを走るような感じでですね。
練習のときから相談者役の方が本当に困っている生の事例だけでやってきたので、鍵野自らその練習方法の方が早くカウンセリングができるようになるのかどうかの評価はできないんですが、とりあえず所内のコースなら走れるようになってから、路上に出る、生の事例にぶつかるというやり方もあるかもなぁ…と思いました。まだ手順通りにさえ動けない段階で、相談者役をしてくださる方の貴重なエピソードを消費してしまうのはもったいないなぁとも思うので。
それで、さらに思ったんですが、「エピソード分析」ならではだなぁと、そういう練習方法の可能性が開けてくるのも。お点前が、手順が、かっちり決まっているので(途中条件分岐はありますが、アルゴリズムはしっかり言葉にできます)、もちろんそれだけではやっぱりカウンセリングにならないので(でも…本当に手順通りやっただけで援助になってしまった…というのも何度か目撃しているので、ならないとは言い切れないのですが…その場合カウンセラー役にカウンセリングをした自覚がないでしょうから、それはカウンセリングではない気がします)、その先に進む必要があるわけですが、そこまでは楽にいけるなら楽に行った方がいいですよね。
また9月に福岡での「エピソード分析」学習会が予定されています。「エピソード分析」ができるようになって、周りの人を援助したい、周りの人と助け合って暮らしていきたいと思われる方は、鍵野までお問い合わせください。詳しい日程や会場、参加条件などお伝えします。よろしくお願いいたします。
そういえば、たしか今日は日本アドラー心理学会のカウンセラー養成講座最終日でした。たしか去年は受講定員20名だったんですが、今年から10名になったと聞きました。何人の方が試験に合格されて晴れてカウンセラーになられるのか、とても楽しみです。日本アドラー心理学会ではもう「エピソード分析」を使うカウンセリングは教えられなくなりましたが、それでも「エピソード分析」開発前までの野田先生の教えはN先生を通してしっかり受け継がれてはいるわけで、その流れでカウンセリングができる人が増えていくのは本当に嬉しいです。
野田俊作顕彰財団(AIJ)のカウンセラー養成講座は8月後半からのスタートで、こちらは定員8名で「エピソード分析」を使ったカウンセリングの実習をみっちりやって、試験合格を目指します。受講予定のみなさんには、ぜひ、悔いのないように準備された上で、講座期間中も成長できるところまで成長されて、それぞれが納得のいく結果を得て欲しいなぁと願っています。
アドラー心理学カウンセラーになるのは本当に大変なので、人に勧めるようなことではないと思っているのですが、もしどなたか、特に九州の方がアドラー心理学カウンセラーを目指すと決めたのであれば、できるだけのお手伝いはしたいなぁと思っています。
読んでいただきありがとうございます。
みなさまどうぞよい夜をお過ごしください。
生きとし生けるものが幸せでありますように。