アドラー心理学で一緒に考えてみませんか

アドラー心理学カウンセラーの鍵野が気になったことのあれやこれやを綴ります

七夕の思い出

おはようございます、鍵野です。
七夕ですね。七夕と言えば、短冊に願い事を書いた笹飾りですが、子どもたちの願い事って微笑ましいというか素直で見ていて楽しくなりますよね。

ただ、娘と一緒に過ごした小児科病棟での入院生活で読ませてもらった、子どもたち、お母さんお父さんたちの願い事は、ほとんど全部が病気が治って健康に暮らせることへの真剣な願いが込められていて、切ないというか、どうかみんなの願い事が叶いますようにと思いながらも、それが叶わない現実をたくさん見てきて、なんとも言えない気持ちになったことを覚えています。


娘と話していてお釈迦さまの教えに救われたことがあります。何度も入退院を繰り返し、その度に、くじけることなく、そのときできる楽しいことをみつけて活き活きと暮らしていた娘でしたが、検査、採血、点滴、たくさんの飲み薬、リハビリなどなど、大変なことも多くて、なんで私だけという思いもあっただろうなぁと…

そんなとき、こんな会話をしました。

私:みんな病気なんだって、お釈迦さまがおっしゃるには
娘:?
私:息を吸って吐かないと死んじゃうでしょ、みんな
娘:うん
私:ごはん食べないと死んじゃうでしょ、誰でも
娘:うん
私:そのままだと死んじゃうってことは病気なんだって
娘:そっか
私:お薬飲まないといけないのと変わらないんだよ、程度の差はあるけど
娘:ああ
私:人によって、生きていくのにしなきゃいけないことは違いがあるけど、でも、放っておいたら死んじゃうってことは病気なんだって
娘:そっかぁ、みんな病気なんだ。うん!
私:うん


本当にそうだと思います。人によって、大変さの度合いは違いますけれど、生きるのは大変です。小児科病棟の子どもたちは大変そうですけれど、でも、たくさんの笑顔、活き活きとして暮らしている姿、楽しそうに病院でできたお友達と一緒に勉強したりゲームをしたり、そのときそのときをがんばって生きているのは、健康な子どもたちと変わりませんでした。入院していない子どもたちも、毎日、家庭で学校でがんばってそれぞれに大変な思いをして生きていますものね。


そういう意味で、お釈迦さまの説かれた四苦、生老病死という真理に、人間だけでなく、生きとし生けるものすべてに当てはまる真理に、凡夫である私たちでも、自分だけでなくみんな苦しんでいるという意味での平等を実感できる機縁がある気がします。


ここからアドラー心理学の話題に入りたいと思うんですが、カウンセリング中に「自分だけでなくみんな苦しんでいる」ことに気づいてもらうことで、頑なに相手を責めていた相談者の身体が緩んで、構えが変わって、決して相手のことを好ましく思うようになるわけではないけれど、自分にそんなひどいことをして来ざるを得なくなっているほど相手も苦しんでいるんだなぁと理解されるときがあります。そんなカウンセリングができたときは、アドラー心理学と仏教を学んでよかったという静かな充実感があります。


アドラー心理学と仏教は違いますが、それでも、仏弟子である鍵野がアドラー心理学を使ってカウンセリングをするとき、仏教で学んだことが出てくるのは仕方ないというか、カウンセラーという人を通してアドラー心理学を伝えるしかないわけで、そういうものだと思っています。


カウンセリングで仏教そのものについて話したことはありませんが、共同体感覚の捉え方が仏教からのアプローチなんだと思います。これがカウンセラーがキリスト教徒とかイスラム教徒だと違うんでしょうね、きっと。


何教でも無神論でもなんでもいいんですが、自分だけでなくみんなも幸せに暮らせる方向を目指す共同体感覚の育成がアドラー心理学カウンセリングの目的なので、個人の幸せを超える何かの感覚を捉えていなければアドラー心理学カウンセリングはできません。


野田先生は、アドラー心理学は、あえてどんな信仰を持っている人にでも適用できるように、特定の宗教に縛られないように、そこを抜いてあるんだとおっしゃってました。


抜いてあるけれど、必須なんですね、それは。個人を超える何かの感覚を捉えていることは。


実際、それがないとカウンセリングが動きません。援助にならずに途中で止まってしまいます。鍵野の場合は、仏教、お釈迦さまの教えに出会えたことで、ヴィパッサナー実践をすることでなんとかその壁を越えることができました。


カウンセラー養成講座の同期の人たちの中で、スパッと一発合格された方もいましたが、そいう方は、きっと既にそこの壁は乗り越えられていて、後は技術的なものを身に付けるだけだったので、養成講座でそれが身に付いたらすんなり合格されたんだろうなと思っています。


アドラー心理学の甲子園?とも言えそうな野田俊作顕彰財団(AIJ)のカウンセラー養成講座は、去年は受講希望者が少なかったのか、開催されなかったのですが、今年は開催されるようです。二年前の夏、準備万端のつもりで臨んだはずが、最後の最後の追試でようやく合格できた鍵野ですが、今年も受講生のみなさんには様々なドラマが待っていることでしょうね。見学参加も募集中だったと思います。いつかはカウンセラーと思われている方であれば、とても勉強になると思います。あの緊張感を間近で感じるだけでも、行く甲斐がある気がします。九州の仲間が受講するようであれば応援に行きたくなってきた…(相談者役でお役に立てそうなエピソードがないけれど(笑)) カウンセラー目指してそうな人は…あの人? この人? 受講生の暑い夏、今年は京都ではなく滋賀での開催のようですが、楽しみです。何人かはわからないけれど、日本に新しいアドラー心理学カウンセラーが誕生する瞬間が。


そうそう、お知らせがありました。アドラーカウンセリングを仕事として始めて一年が経ちました。様々な方の様々な問題を一緒に考えさせてもらえて、そんなに数が多かったわけではないですが、大変充実して成長できた一年でした。相談に来てくださったみなさん、本当にありがとうございます!


それで、一周年を記念して、まだアドラーカウンセリング未体験の方に限り、初回のカウンセリングを70%オフの3千円でお受けしています。十月末終了の予定です。夫婦カウンセリングも6千円でお試しいただけます。よろしければこの機会にアドラーカウンセリングを体験してみませんか。詳しくはホームーページhttp://www.adleriancothinking.com/をご覧ください。よろしくお願いいたします。


読んでいただきありがとうございます。

みなさま今日もよい一日をお過ごしください。


生きとし生けるものが幸せでありますように。