アドラー心理学で一緒に考えてみませんか

アドラー心理学カウンセラーの鍵野が気になったことのあれやこれやを綴ります

早期回想って

こんにちは、鍵野です。
小中高生は夏休み真っ盛りですね。大学生の息子は八月に入ってもまだ講義があるようですが、大学によっても違うんでしょうねそこは。子どもたちと一緒に暮らしてたときは、学校のスケジュールを前提にいろいろ動いていた気がしますが、一人になって、親としての学校とのつながりもなくなり、ますます世間離れしてきたような(笑)。


テレビがない暮らしはもう8年目になりますし、新聞もいつ頃からだったか読まなくなり…、情報源は田舎ではいまだに現役メディアの回覧板かな(笑)。あとは主にスマホでですが、グーグル先生と、YouTubeFacebookもときどき。それで特に困ることはないんですが、あえて言えば、カウンセリングのときにテレビ番組とかタレントさんのお話をされる方がたまにいらっしゃって、昔の番組とかタレントさんならいざ知らず、最近の話には全然ついていけなくて、まぁそれでカウンセリングができないわけじゃないのでいいんですが、現代日本人の共通感覚とのズレが大きくなり過ぎると困る場面もあるかもしれません。いや、ズレをズレとして意識できていれば大丈夫なんですが、自信をもって共通感覚と思って進んだところが、じつはズレていた! なぁんてことが起こったらマズいかもしれません。やっぱりいろんな人、世代や職業や暮らし方含め、いろんな現代日本人と交流しながら、共通感覚を確認、アジャストしていく必要がありますね。とくに一人暮らしをしているとですね。


もちろん共通感覚の方に行くのがアドラーカウンセリングと決まったわけではなく、ケースバイケースで、勇気をもって、共通感覚からはズレるかもしれないけど、共同体感覚としてはこっちに行ってみますかというカウンセリングもあるわけで、でも、いずれにしろ、共通感覚は意識できてないとアカンやということですね。


それで、今日はじつは誕生日でして、そろそろ年金定期便が読まずにポイ!ではなくて、他人事ではなくなってきてしっかり読まないとなぁ…、具体的にシミュレーションしてみよっかなと思えるような歳に。大学生のときも働いて厚生年金は払っていたので、加入月数はフルに近い感じ。自営の期間は国民年金だけですし、年金だけで暮らせるような額ではありませんが、でも、こうやって現実的にいただけそうな気がしてくると、ありがたいことではありますね。いつまで生きるかはわからないものの、生きている間はいただけるというのは心強い(笑)。何歳から受給するのがお得か? なぁんてタイトルの動画とか記事がいくつもありますが、いつ死ぬかわからないんだからねぇ(笑)。あっ予想より長生きしてしまった…やっぱり受給開始年齢を遅らせておくんだった…うーん、損しないように早く死のう。なぁんて訳はないでしょうし(笑)。でも、他に収入がある人は、年金がプラスされることで、各種税金がどう変わるかはシミュレーションしてみた方がいいかもしれません。所得税、住民税、国民健康保険税などなど、いろんな税金の壁が存在しますから、その壁のこっちと向こうのどちらにいた方がいいのか、それが選べる人であれば選んだ方が後悔しないとは思います。脱税はダメ絶対!ですが、節税はご自分とご家族や周りの人を守るためにもやる価値があると思います。お釈迦さまも権力者に財産を取られてしまわないように守りなさいとおっしゃったとか。


今日もカウンセリングのお客さまがいらしてくれて、嬉しい誕生日でした。売上という意味ではなく(笑)、自分が学んできたこと身につけてきたことで人様の役に立てるっていうのは、やっぱり一番嬉しいですね。それも大好きな、世俗のものとしては最も価値があると思っているアドラー心理学でお役に立てるのは格別です。経営コンサルティングでお役に立つことも嬉しいのですが、それでも、それは他にも提供できる人がたくさんいるわけで、よかったなぁとは思うし、ありがたいことなんですが、アドラーカウンセリングのそれとは全然違いますね。


もちろん、アドラーカウンセリングができる人も日本全国を探せば、野田俊作顕彰財団(AIJ)認定カウンセラーと日本アドラー心理学会認定認定カウンセラーを合わせて、100人はいないかもしれませんが、70~80人はいるのかな? だから、鍵野以外にもできる人はいるんですけれど、でも、九州には鍵野含めて4人かな、たぶん? しかも、鍵野のように業として曲がりなりにもカウンセリングルームを開いてやっている人は、現時点で他にはいないと思うので(鍵野が知らない団体の方はいいとも悪いとも本当に知らないので度外視してますが)、やっぱり何というのか、アドレリアンカウンセラーとしての責任を果たすというのか、できる限りできる範囲でではありますが、なんとかかんとか続けていっている中で、カウンセリング来ていただけていること、その方のお役に立てていること(途中ではありますが(笑))が、本当にありがたく、嬉しくて、野田先生から、N先生から、そして後継者の先生方、先輩方、お仲間から、アドラー心理学を学んでこれてよかったなぁとしみじみと思うのでした。ありがとうございます!


と、前置きだか、本題だったのかわからない感じで、書いてしまいましたが、今日は「早期回想」について考えてみたいと思います。


早期回想というのは、ある日ある時一回だけ起こった感情を伴うできごとで、それだと単にエピソードとも言うんですが、そのエピソードの中でも、できるだけ小さいころの思い出、(おまけしても)小学校卒業までくらいの思い出のことです。映像(音とか匂いとかでも)を伴っているありありとした思い出で、始めと終わりがあるもののことです。


なんでアドラー心理学は早期回想に注目するのかというと、アドラー先生がそうしたからです。数多の弟子もみんな早期回想には注目しました。なぜかというとそこにその人のライフスタイル、人生目標、人生の理想、人生の方針が表れていると考えているからです。で、その人が何かに困っているとしたら、それはその人のライフスタイルではうまくいかない事態が起こっている(に違いない)と考えるので、ライフスタイルを知ることで、そこから抜け出す道がみつかるだろうと思うので、まずはその人のライフスタイルが知りたくなるわけです。


何か困ったことにぶつかって、カウンセリングで、その困ったことはこうしたらなんとかなるんじゃないですか?という対応を繰り返しても、その人のライフスタイルが変わらない限り、同じ問題が延々と繰り返されることになって、モグラたたきをしているような感じになってしまうなぁと。なので、できればライフスタイルを触るようなカウンセリングをしたいなぁと思っているところはあるんですね、こちらとしては。もちろん、時間が解決する問題というのも世の中にはたくさんあるので、モグラたたきをしているうちに、子どもも大きくなって、小さいころに困ってたことは問題じゃなくなるということもあるとは思いますし、夫婦関係でも、時間が解決する(体力が衰える、単身赴任する、相手の親が亡くなるなどなど)問題もあるとは思いますが、でも、せっかくなので困って相談に来られる方のライフスタイルが成長(昔は間違ったライフスタイルという言い方もあったそうですが、そういうカウンセラーも充分間違ってるので、そんな偉そうなことは言わなくなったそうです)するようなお手伝いがしたいなぁと思っているんです。


このブログでも何度か紹介している「エピソード分析」という野田先生が遺された方法であれば、カウンセリングでも「仮想的目標」や「私的感覚」という形で、相談者のライフスタイルを扱うことになるので、ライフスタイルを成長(その人はその人のままなんだけど、ちょっと大人な対応ができるようになるというくらいで捉えておいてください)させるお手伝いはできます。できるんですが、もし、相談される方が、アドラー心理学を知っておられて、そういうまどろっこしいことなしで、ライフスタイル成長させたいんです!という意気込みで来られるのであれば、最初から10回程度通ってもらうことを見越しながら、一緒にライフスタイル分析をしていきましょうかね、という道を通ることがあって、それはその方が長い目で見れば結局早いんですよね。


で、そのライフスタイル分析をどうやるかというと、いろんな方法はあるんですが、やっぱり基本は早期回想を採って、そこにその人のライフスタイルを見るというか聞くというか味わうというかそういうことになるんです。


どうして、早期回想がそんなに大事なのかというと、小さいころのことをわざわざ覚えているというのがミソですね。わざわざ覚えておく価値のある話なんですよね、これは、その人にとって。話題としたらそんな大げさなことでもなくて、ちょっとしたことに思える話でも、やっぱりその人にとっては重大なことなんですよ。その語り方から、言葉の選び方から、その視点から、その人がにじみ出てしまうんですね。隠しようがありません。もし隠そうとして語った人がいたとしたら、それがその人のライフスタイルですね、隠そうとしながら語るという(笑)。


なので、ある先輩がエピソードが血の一滴をいただく行為だとしたら、早期回想を語ってもらうのは臓器をいただくような大変なことだとおっしゃったのを聞いたことがありますが、大げさでないくらい、そのくらい大事な、価値のある、慎重に大切に扱わなきゃならないことなんですね。


それで、アドラー心理学を知らない人にはちょっと信じられないことかもしれませんが、この早期回想は変わるんです。あくまでもそのときのその人が投影されているのであって、タイムマシンがあったとして、本当にそんなことがあったかどうかなんて確定する意味はまったくないことなんですね、早期回想で語られることは。でも、いい加減なものではなくて、そのときのその人にとってはそれが現実なんですよね。


同じ出来事をきょうだいそれぞれが全然違う思い出として記憶しているというのはむしろ当たり前の話なわけです。アドラー心理学の理論からしたら。


どんな風に早期回想を扱っていくのか知りたい!という方は…ぜひ、野田俊作顕彰財団(AIJ)あるいは日本アドラー心理学会の講座で学ばれてください。いきなりは出てきませんけれど、それが必要なところまで学ばれたら自ずから道は開けてくると思います(笑)。N先生のオープンカウンセリングに参加できれば、毎回ではないですけれど、場合によっては早期回想を扱われるので、その実際を体験することができるかもしれません。


早期回想を語っていただくたびに、そうやってこの方はサバイバルしてこられたんだなぁと尊敬の念と共に感動します。毎回、その大切な物語を味わうことができる幸せをかみしめています。


読んでいただきありがとうございます。

みなさまどうぞよい一日をお過ごしください。

生きとし生けるものが幸せでありますように。