アドラー心理学で一緒に考えてみませんか

アドラー心理学カウンセラーの鍵野が気になったことのあれやこれやを綴ります

夫婦と家族

こんばんは、鍵野です。
なんとなく記事100本という目標がないこともなくて、もう少し書いてみようかなと。明日明後日とアドラー心理学の仕事と学びで出かけて書けなくなるので、今のうちに書いておきます。この記事入れてあと5本なので、年内達成できるかも(笑)。


さて、今回は「家族」について考えてみたいんですが、アドラー心理学の師匠、野田俊作先生は、家族の基本は夫婦だとおっしゃいました。子どものいない夫婦はあるけれど、夫婦のいない夫婦はない(笑)と(そりゃそうだ)。結婚して夫婦になってそこで新しい家族ができるということですかね。〇〇家という「家」という意味での生業を共にする何世代に渡る家族のイメージは、限られた人たちを除けばほとんどないですものね。


そう言いながら、鍵野も我が家は、と「我が家」という表現を使うことがありますが、その場合、子どもとの親子関係に重点を置いて言っている気がします。まぁ、だいぶ前に離婚してシングルファーザーとして子育てをしてきたので、余計そういう感じがするのかもしれませんが、でも、思い起こしてみても、元妻と結婚したてのとき、まだ子どもはいなかったけど、近いうちに子育てが始まる前提で、やっぱりまだ見ぬわが子を入れての家族という目線だった気がします。今思えば不思議な気もするんですが、夫婦ともに、絶対子どもが生まれてくると信じていたようです。それで、今は19歳、大学生になった息子ですが、結婚して1年半後くらいに我が家に生まれてきてくれました。そこからは、本当に、子ども中心でやってきたと思います。自分は「お父さん」になったし、元妻は「お母さん」になった。息子視点からの役割としての呼び名である「お父さん」「お母さん」が一番しっくりくる自分へのラベルになったんですね。


でも、ですね、今更ですが、やっぱりこれはあんまりお勧めではないんですね。離婚をしなかったとして(笑)、夫婦ともになんとか生きていたとして(笑)、そのうち子どもは巣立っていなくなります(子ども部屋おじさん(おばさん)というのは例外として)。子どもにとっては、仮の宿なんですよね、我が家といっても。子どもも成長して巣立ってどこかで誰かと夫婦になる(と思う)わけで、そうすると、最初から家族の永久会員的なメンバーとして期待しない方がお互いいいのかもって気がするわけです。それよりも、夫さんなり妻さんなりとはお互いに永久会員のつもりで、家族の基本メンバー同士として、最初からそのつもりで付き合っていった方が、後々問題が少なくなると思います。離婚した鍵野が言うのもなんだか説得力がないかもしれませんが、アドラー心理学に出会ったのは離婚後なのでどうかご勘弁を(笑)。


子はかすがいと言いますが、野田先生は違うとおっしゃってました。そうではなくて、子どもがいると子ども優先になって、夫と妻だったはずが、お父さんとお母さんになってしまって、男と女という関係でいられなくなると。だから、夫婦が仲良くするという点においては、子はかすがいではなくジャマなんだと(笑)。それで、その夫婦のお邪魔虫だった子どもが巣立っていくとですね、もう互いにお父さんとお母さんとして何十年も暮らしてきた、元男と元女の二人は、途方に暮れるんですね、これからどうしようかと。そこから、もう一度夫婦になれればいいんですが、結構ハードル高い気もします。そういう人は夫婦カウンセリングを受けてみるといいかも(宣伝(笑))。


野田先生は夫婦について「遊ぶ」「話し合う」「働く」と3段階に分けておっしゃってました。これ、まず夫婦で「遊ぶ」のが先です。一緒に遊べない夫婦は雑談もできないし、ましてや家族の一大事について真剣に「話し合う」ことなどできません。そして夫婦ができたのは「働く」ためだと。「働く」というのはお金を稼ぐとかそういうことではなくて、人間は人間なりにこの世界に貢献するために生まれてきたんだけど、その人間が世界に貢献する単位として「夫婦」というのがどうもよさそうだと。子どもを作って育てることもそうですが、子どもが巣立っていた後もまだ死なずに夫婦で生きているというのは、そういう単位で貢献する意味が何かあるのではないかと。親は生活に忙しいからじいちゃんばあちゃんだから教えられることを孫に教えるというのもあるかもと。


だから、その大事な夫婦のために、せっかく「パセージ」というアドラー心理学の子育て学習プログラムがあるんだから、これを大いに利用して、できるだけ子育てにエネルギーをかけずに楽に上手に育てて、子育ての手間を省いて(笑)、夫婦関係にもっとエネルギーを注ぎましょうともおっしゃっていました。


仲のいい夫婦を間近で見て育ったお子さんは幸せですよね。お父さんとお母さんが仲良く遊んで、話し合って、働いているのをいつも見て聞いて感じて育った人であれば、わざわざアドラー心理学を学ぶ必要ないですもん(笑)。だから、野田先生は冗談で言っていたのではなく、本気で夫婦が家族なんだとおっしゃったんだと思います。世界中の夫婦が仲よく協力的に暮らすことができれば、子どもたちもその子どもたちも、仲良く協力的に暮らすのが当たり前になります。そうなれば、アドラー先生、ドライカース先生、シャルマン先生、野田先生の願った、共同体感覚にあふれる世界、平等で平和な世界が実現することになりますよね。そんな世界の実現に一歩でも近づくお手伝いができるよう、明日からも自分にできることをしていきます。


読んでいただきありがとうございます。
みなさまどうぞよい週末をお過ごしください。

生きとし生けるものが幸せでありますように。