アドラー心理学で一緒に考えてみませんか

アドラー心理学カウンセラーの鍵野が気になったことのあれやこれやを綴ります

アドラー心理学使用前使用後のアレ

<2023年11月6日wrote>
こんにちは、鍵野です。
今日は雲が多くて、日差しが弱くて暗めの空ですが、寒くもないし暑くもなくて過ごしやすい上浦です。と書いていたら、雨が降り出しました。天気も人も無常ですね。
さて、アドラー心理学を学び始めてその理屈がつかめてくると、いろんなことが見えてきます。自分のことがちゃんと見えてくるのは最後の最後かもしれませんが、ひとまずそれまで愛用してきた自分心理学から離れて、アドラー心理学の視点で見てみれば、これまで困っていた場面で、これまでのようなうまく行かないとわかっているのに繰り返してきた行動とは違う行動を選ぶことができるようになります。
 人がうまく行かないとわかっている行動を取り続けるのにも理由があります。例えば、勉強をしないお子さんに勉強して欲しくて困っているお母さんがいるとします。学校から帰ってきても、ずっとゲームをしていて勉強を始めようとしない子どもに向かって
母:いつ勉強するのよ! お母さん我慢してたけど、さっきからゲームばっかりじゃないの。あなたのために言ってるのよ! そんなことじゃろくな大人になれないから。きっと後悔するわよ!
子:うるさいなぁ! せっかくこれ終わったらしようと思ってたのに、もうやる気なくなった!(ゲーム機を持って、立ち上がり、別の部屋に)
母:ちょっと、待ちなさいよ!
子:(バタン!と大きな音を立ててドアを閉める)
母:……
というような対応を繰り返しているご家庭があります。
繰り返す理由は
1)他のやり方を知らない。2)やめたらもっと事態が悪くなると思っている。3)子どものためにがんばっている健気な親としての自分が、かわいそうな私でいるのが実は気持ちいい(笑)。
他にもあるかもしれませんが、まぁこんなところでしょうか。アドラー心理学を学ぶと、他のやり方を学ぶことになるし、やめたらどんなことが起こるか実際に確かめてみるし、(悪いあなた)かわいそうな私を追及してもいいけれど、今、自分が「かわいそうな私」してますと意識しながらすることになるので、そんなに気持ちよくなくなります(笑)。なので、このご家庭のコミュニケーションはお母さんがアドラー心理学を学ぶと変わります。変わった結果、お子さんが勉強するようになるかどうかはわかりませんが、自分のためだけでなく、本当に子どものためにも行動できるようになるので、少なくとも親子関係はよくなります。関係のよい親の願いであれば、子は聞いてみようと思うかもしれません。
人間に限らず、動物も子どもを大事にします。自分の命に代えても子どもの命を守るような場面はYoutubeにもたくさん上がっています。アドラー先生は「愛」という言葉はあまり使いませんでした。野田先生もです。生物が子孫を残すための仕組みとして両性生殖を選んだ結果起こってくる現象について「愛」という言葉は使わない方がいいのかもしれません。ホルモンのバランスを変えて雌雄の身体の作りを変えて、気分も変えて発情してつがいを作って、子を作って一人前になるまで育てるという一連の流れを「愛」と言ってしまうと、アドラー心理学を学んで実践して他の人と協力して困難を乗り越える中で感じるアレ、特に親子の間で感じるアレ、夫婦(パートナー)の間で感じるアレにつける名前がなくなってしまう気がします。そんなことを言うと、アドラー心理学を学ばなければアレを感じることができないのか!とお叱りを受けるかもしれませんが、正直言って、鍵野個人の経験では、その通りでした。アドラー心理学を学んで実践する前までに感じていたのは、犬さんでも猫さんでも熊さんでも、ひょっとしたらゴキブリさんでも蜘蛛さんでも感じているに違いない欲というか執着に過ぎなかったのではないかなと。もちろん、その欲というか執着のおかげで生命が維持できているのは確かなのですが、せっかく言語という大変やっかいで物騒ではあるけれども、がんばれば心を磨いていけるかもしれない凄い道具を手に入れた我々人類ならではのアレを感じてから死ぬのも、人間に生まれた業とか縁を活かす道として、アドラー心理学なんていうマイナーで儲からないものに憑りつかれた物好きな人にはおすすめしてもいいのではないかなぁと思っています。最後は、ちょっと標準のアドラー心理学をはみ出してしまいました(笑)。
読んでいただきありがとうございます。
みなさまどうぞ今日もよい一日をお過ごしください。
生きとし生けるものが幸せでありますように。