<2023年11月12日wrote>
こんにちは、鍵野です。
さて、トンネルを歩いていて思い出したのですが、昨日見たBappa Shotaさんの動画で、ご存知の方もいるかもしれませんが、ラスベガスの地下にある洪水対策のトンネルの中で暮らす人を取材したものがあって、1000人以上の人が暮らしているらしいです。いわゆるホームレスといわれる方たちですが、ラスベガスの地上では取り締まりが厳しくて暮らせないんだとか。真っ暗なトンネルの中で、ヘッドランプなどを頼りに暮らしてるんですね。で、缶を集めて売ったり、物乞いしたり、まぁ、窃盗、強盗などを働く人もいるようですが、スマホもあって、水や食べ物を買っていると。女性の方もいて(まぁいるでしょうね)、そのトンネルの中の自分の住まいをちゃんとご自分の趣味に合わせて飾りつけをしたり、居心地の良い空間にされているのが印象的でした。そして、ちゃんとコミュニティはあって、みんなでお金を出し合ってガソリンを買って発電機を動かして、バッテリーを充電したりしてるそうです。やっぱり社会に所属はしているわけですね。そして、そのトンネル生活から出る意思があるのであれば、いつでも力になるよということで、真っすぐホームレスの方たちの目を見ながら、見下さずに、相手が望むのであれば食料や薬などをあげるし、そこから出て生活できるところ、そしてたいていドラッグ依存で困っている人たちなのでカウンセリングも用意しているという支援活動をされている男性がBappa Shotaさんのガイドとして同行されていました。その方が「ここから出るためのロープを下ろしているんだ」というようなことをおっしゃっていたのが、強く印象に残りました。もし出る気になって掴むのならば引き上げるし、無理やり外に引っ張り出すことはしないんですよね。
アドラー心理学、アドラー心理学カウンセリングと同じだと思いました。悩んで苦しんでいる方がいるのは間違いないんだけど、無理に助けるわけにはいかないんですよね。May I help you? とは言えるけど、その人が自分で選んだことを妨げる権利はありません。その人の代わりに人生を生きることはできないので。そして、その人がそのような状態でいることを私が耐えられないので、違う状態になってくれることを私のわがままとしてお願いはできるかもしれません。でも、断られたら、それ以上のことはできませんよね。その人以外の世界中の人が善行為と認めてくれたとしても、相手が嫌だったらそれはすべきではありません。相互尊敬、相互信頼、協力と目標の一致があって初めてアドラー心理学の援助が成り立ちます。これを相談的人間関係といって、相手にアドラー心理学を使うための大前提です。この相談的人間関係の成立していないところで、人にアドラー心理学を使ってはいけません。これは、親子でも教師と生徒でも同じです。親が子を教師が生徒をアドラー心理学で援助できるのは、この相談的人間関係があることを前提にしているんです。なので、問題のある親子関係、問題のある教師生徒関係では、まず関係を良くするのが先です。関係が良くなってから、相談的人間関係ができてからでないとアドラー心理学は使えません。もちろん自分に使って自分を変えるのはOKなんです。というか、そこからしか始められません。それで、その人が変わって、その人から学んでもいいなぁと子どもなり生徒なりが思ったら、初めてアドラー心理学を伝えることができます。
読んでいただきありがとうございます。
みなさまどうぞよい週末をお過ごしください。
生きとし生けるものが幸せでありますように。