<2023年10月18日wrote>
こんばんは、鍵野です。鍵野は野田俊作顕彰財団(以下、AIJと略す)と日本アドラー心理学会の両方からカウンセラーとして認定いただいてます。ということで、両方に会員(AIJでは会友)として所属しています。知っている方はよくご存じなのですが、知らない方は知らない(当たり前ですね)経緯があって、今から2年前にAIJが設立されました。それぞれのホームページをご覧くださればその立ち位置というか公式見解はお分かりになると思います。
今回は、両団体の講座の受講をおすすめしていることもあり、両方に所属してカウンセラー資格もいただいている鍵野が、どちらをどういう人にお勧めするかをご紹介したいと思います。
1.「エピソード分析」というカウンセリング手法を学びたい人。
晩年に野田俊作先生が開発された、日本語話者が日本語話者をカウンセリングするのに適した「エピソード分析」を学びたい、ブラッシュアップしたいのであれば、AIJで学ぶしかありません。鍵野のカウンセリングも基本はこれです。
2.「パセージ」「パセージ・プラス」という子育てグループ学習プログラムを受講したい人。
3.野田先生の開発された各種講座を受講したい人。
基礎講座応用編、基礎講座理論編、各種特殊講義など、野田俊作先生の英知がつまった講座を野田先生が後継者にと後事を託した先生方から学ぶことができます。
4.切磋琢磨的な、アスリート的な雰囲気でお互いを高め合いながら学ぶのが好きな人。
完全に私見ですが、AIJの仲間は、いつも少しでも自分を向上させたいと思ってらっしゃる人が多いような気がしています。お会いすると、自分もがんばらねば、と良い刺激をもらえます。
5.年会費が安い方がよい人。
年会費は3千円です。
6.新しい会に入って、活躍したい人。
日本アドラー心理学会に比べて、会員数は少ないので、会友一人への期待は大きい。
7.野田俊作先生の伝えられたアドラー心理学を学びたい人。
これをトップに持ってくるべきかもですが、あえて最後に。
<日本アドラー心理学会がおすすめな人>
1.欧米式のオーソドックスなカウンセリングを学びたい人。
ここでは「エピソード分析」は教えられていません。職人芸的な名人の技を本気で盗み取ってやるという眼力というか根性とセンスが必要と思います。
かくいう鍵野も「エピソード分析」をものにしてから、ようやくこのオーソドックスなカウンセリングも見えるようになりました。なので、この手法に転向しようというつもりはないのですが、中島先生の名人芸からヒントを得ようと、ときどき学びに行っています。
2.新しい子育てグループ学習プログラム「エオレクト」を学びたい人。
パセージに比べてテキストの文字が少なく、とっつきやすいという話も。過干渉ママパパの苦手な「課題の分離」はないそうです。それでも大丈夫なようにしてあるという話ですが、鍵野は受講経験がないので、噂レベルです。噂を聞いて、かなり受講したくなったものの、子育ては終わっているので、やっぱり受講しない気がします。
3.オンラインで学びたい人。
各種講座(一部対面のみもあり)や子育てグループ学習プログラム「エオレクト」もオンラインで受講できます。でも、やっぱり「エオレクト」も対面の方がいいという噂は耳にします。
4.楽しく笑いのある雰囲気が大事な人。いろんな講師から学びたい人。
現指導者の中島先生は、野田先生の古くからのお弟子さんでもあり、教えられていることはもちろん確かで学び多いものなのですが、笑いを取ることをとても大事にされています(笑)。講座によって、いろんな方が教えられるので、一概には言えないのですが、和気あいあいな感じはみなさん大事にされている気がします。
5.年会費ちょっと高めでも大丈夫な人。
年会費は7千円です。
6.会員数の多い老舗の会に入りたい人。
会員数は8百人ちょっと。千名を超えていた時期もありますが、AIJができてから、辞めた人もたくさんいたので減った(コロナのせいと現会長はおっしゃっていたが…)んだと思ってます。
7.論文等を書いて投稿したい人。他の人の論文等から学びたい人。
学会誌を年2回(に減った)発行するので、論文を書きたい人・読みたい人にはいいかもしれません。
(2023/10/19 追記)
一番大事なポイントを忘れていました!
なので、お近くの自助グループが(=お世話人さんが)どちらの団体メインで活動されているかによって、その自助グループメンバーがメインで関わる団体が決まります。お世話人さんの推しと違う方に行ってはいけないことはないんですけど、喜ばれはしないかも。現在の鍵野のように、どこかの自助グループに属しているわけではなく、いろんな自助グループにお邪魔させていただいているノマド的な人であれば、どこへ行こうが気にしないされないと思いますが…
なので、実際のところ、自分が通いやすい自助グループがあったら(あるだけラッキーなので)、そこのお世話人さんの推し団体から学べばいいと思います。どちらもちゃんとしたアドラー心理学を教えてくれることは間違いないので(ということは、どこかにちゃんとしていないアドラー心理学を教えるところもあるのでは?と思われるかもですが、ちゃんとしてるかどうか不明(鍵野が知らない)な団体はたくさんあります)、安心して学んでください。もし、アドラー心理学にはまってしまって(笑)、カウンセラーを目指そうかという段階になったら、学べるものが違ってくるので、そのときはあらためて選択されればいいと思います(カウンセラーを目指す人なら鍵野は自信を持ってAIJ推しです。他にも理由はあるんですが、まずもって「エピソード分析」の方が学びやすいから。)。
新米のお世話人さんで、メインの団体に迷っているのであれば、メンバーの共通の知識ベースをパセージにするならAIJだし、エオレクトにするなら日本アドラー心理学会ですね。パセージに惚れ込んでいれば迷わずAIJで行けばいいし、エオレクトがよかったのであれば、日本アドラー心理学会で(パセージは受けた上で、選んで欲しいですけれども…本当に効果は間違いないプログラムなので)。ただし、共同体感覚というアドラー心理学の肝というか思想の解釈がAIJと日本アドラー心理学会で違うと思います。AIJは「平等の位置」という互いに人間としての価値の上下のない究極の理想(本当はそこにあるんだけど忘れてしまっている)にいることを目指している(ようだ)し、日本アドラー心理学会は、初めてアドラー心理学に触れる人も対象にしたエオレクトでもはっきり共同体感覚について、手の届く感じの感覚として説明しているようなので、かなり態度が違うかなと。野田俊作先生の晩年のスイスのイヴォンヌ・シューラ―先生からの学びを経た共同体感覚理解に基づいているのがAIJで、それ以前に野田先生がシカゴで学ばれたころからの共同体感覚理解をベースにしているのが日本アドラー心理学会だと鍵野は理解しています。で、鍵野の推しは、結局AIJです。だから、自分が自助グループを運営していくなら、パセージだし、「エピソード分析」だし、「平等の位置」で暮らすことを目指してAIJメインで学んでいくグループになると思います。メンバーそれぞれが個別に学びたいものを日本アドラー心理学会で学んできてシェアしてくれるのは大歓迎すると思いますが。ご参考まで。
読んでいただきありがとうございます。
生きとし生けるものが幸せでありますように。