アドラー心理学で一緒に考えてみませんか

アドラー心理学カウンセラーの鍵野が気になったことのあれやこれやを綴ります

感情と思考、そしてカウンセリング

<2023年


10月2日wrote>
こんばんは、鍵野です。
10月になりましたね。鍵野の暮らす上浦でも夜は寒いくらいになってきました。
なんとなくまだまだ夏っぽい恰好をしがちだったのですが、仕事で出かけるときには上着とネクタイが必要ですね、たぶん(笑)。
 写真はコーヒーと相性の良い定番のお菓子です。日本語との相性も良いようで、よく受験のゲン担ぎにダジャレ的に使われますよね。
「気分」って、英語では何ですかね? feeling?、いやmoodかな? 似た単語で、emotionは「エモい」の予約語でしょうかね、最近では(笑)。
アドラー心理学では、特にカウンセリングでは、feelingとthinking、感情と思考をしっかり区別するのが大事と教わります。英語を話す人なら、I feel ~ と I think ~ は ~の部分に全然違うものが収まります。How did you feel?と聞けば、怒りを感じたのであれば、I felt angry at ~ とか答えてくれるわけです。What did you think?と聞けば、不公平だと思ったのであれば、I thought it was unfair of ~ とか答えてくれるわけです。今、さらっと「思った」を使いましたが、これがとってもやっかいな日本語ですね。
「どう思いましたか?」と日本語で聞くと、「腹が立ちました」と感情を答える人もいるし、「許せない!と思いました」と思考を答える人もいるんですね。で、注意して、「どう感じましたか?」と聞いても、「早く言ってよって思いましたね。今更なんだよって」とか、相変わらずしっかり思考で応えてくれることも多いです。同じく「どう考えましたか?」と聞いても、「うーん、なんか悲しかったですね… はぁ~って思ってですね…」とか、感情を答えてくれる人もいらっしゃいます。
日本語で普通に暮らしてたら、そんなのどっちでもいいじゃないって思い(思考ですねこれは)ますけども、アドラー心理学ではそれではダメなんです。どうしてかっていうと…感情は思考をもとに生み出されると考えているからです。だから、何か困った出来事が起きたとき、「そのときどう感じましたか?」と感情を聞いて、例えば「怒ってました」という答えを得て、「それでそのときどんなことを考えていたんですか?」と聞いて、例えば「許せないと思いました。あれだけちゃんと約束したのにそれを平気で破るなんて…信じられない!って」という答えを得ると、その人が何を大事にしているのか、何を目標にしてたのかが推測できます。そこがカウンセリングの軸になって、例えば、その目標が世の中の価値観とすごく離れていたならば、もう少し世の中の価値観に寄せる方向の目標に修正できないかを検討したり、あるいは、目標は相手も理解してくれそうなんだけど、なんだかそのときその人が取った手段が、具体的には言葉遣いとか、感情をこめ過ぎてるとか、もう少し相手が受け入れやすい手段に変えることを検討するとか、そんな風にカウンセリングが進んでいく…といいんですが、実際の現場では、日本語では感情と思考が入り乱れて語られるので、なんだかわけのわからないことになりがちなんですね…。
それで、天才?鬼才?秀才?…なんていったらわからないんですが、師匠の野田俊作先生が、日本人が日本語で日本人相手にアドラー心理学カウンセリングをするための「エピソード分析」という素晴らしい手法を開発されたんですね。鍵野もこの「エピソード分析」を野田先生の後継者である、野田俊作顕彰財団(AIJ)の大竹優子先生、中井亜由美先生から学んで身に付けたおかげで、アドラー心理学カウンセリングができるようになりました。
で、その「エピソード分析」というものはですね…(ここから先は有料です(笑))。というか、鍵野にはカウンセリングを教える力はないので、本当にアドラー心理学カウンセリングができるようになりたい方は、ぜひAIJの講座で学んで身に付けてください。カウンセリングとまでは行かなくても、パセージ・プラスというグループ学習プログラムや基礎講座応用編の中で、自分でもグループでも取り組める「エピソード分析」の方法を教えてくださいます。これは、お得ですよ、自分で自分の分析はできないってことになってたはずですが…結構できてしまいます、「エピソード分析」を身に付けると…(内緒にしておいてくださいね、商売あがったりになっても困るので(笑))。
日本アドラー心理学会でもカウンセリングを学べますが、こちらは従来の方法(欧米式)なので、鍵野としては日本人にはかなりハードル高いかなと思っています。もちろん、こちらの方がしっくりくる方もいらっしゃるとは思いますので、気になる方は情報収集してみてください。
読んでいただきありがとうございました。
生きとし生けるものが幸せでありますように。