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アドラー心理学カウンセラーの鍵野が気になったことのあれやこれやを綴ります

ATMからの転身

<2023年10月3日wrote>
こんにちは、鍵野です。
みなさん、銀行からお金を下ろすとき、わざわざ窓口に行く方は少ないですよね。ATMがありますもんね。コンビニでも手数料なしで下ろせる銀行もありますしね。
まぁ、そんな便利なATMですが、ある日もっと便利になるだろうって、あなたの家に設置されたらどうですか? ものすごい広い家だったらわかりませんけど、うちなんて置き場がないし困っちゃいます。
 でもですね、よく聞く話なんですよ、これ、まぁATMっていっても…じつは人間の話なんですが…
ある男性がいるとしましょう。60歳で定年退職を迎えて、まぁ再雇用で関連会社には行くには行くんですが、週3日でいいんですね。これまで文句も言わず家族のために働いてきた。そんなに高給取りではなかったけど、でも、奥さん子どもさんを露頭に迷わせることはなかった。子どもも独立してるし、これからは夫婦二人でたまには旅行でもして、のんびり仲良く暮らしていこうと思っているこの男性。一方、目の前にいるこの男性の奥様はというと…「ご苦労様でした」とは言ったものの、明日からどうしようかしらとなんだか浮かない表情です。毎月毎月きっちりお給料が口座に入ってきた、朝は早いし夜は遅いし、途中結構長い間単身赴任もしてくれて、その分手当も増額されて、世話する手間も減ったし、たしかにこの人のおかげで安穏に暮らせてきたのは事実だ。もちろん、家のことご近所のこと子どものことも全部私任せで、大変なことも多かったけれど、外に女を作るような甲斐性はない人だし、かけ事もしないし、大酒飲みでもないし、とっても助かった。でもね…、この人と朝から晩まで一緒にいるなんて…私、耐えられるかしら… 出かける用事増やさないと…なぁんて(笑)。
じゃぁ離婚するか? いや、結婚よりエネルギーいりますからね…(経験者です(笑))。そうとうマイナスの感情を作り出さないと、そこまでのエネルギーは湧いてきません。「離婚します!」って言っちゃえるくらいひどい夫さんならよかったのかもですが、そこそこいい人なんですよねぇ、この男性。
もし、この男性が「なんか女房が冷たい…邪魔にされているようで…」とかって相談に来たらどんなアドバイスをするか? 奥さん孝行ですね、やっぱり。脱ATM! せめて、置いておいても困らないお掃除ロボットを目指しましょうと(笑)。何か、奥さんに家事を教わって、それは一生懸命やる。奥さんを師匠と思って、ダメ出ししてもらいながら徹底的にやる、最初は教える手間がかかって奥さんも面倒でしょうけれど、そのうち任せられるようになれば、その分時間が浮くし、奥さんにもメリットがあるはず。師弟関係の中でこれまでにないコミュニケーションもできるでしょうし、そのうち奥さんの縄張りに遊びに連れて行ってくれるかも(笑)。そうなれば、ひとまず危機は脱出ですね。夫婦二人で話せて遊べたらもう大丈夫。
奥さんの方が相談に来たらどうするか? 同じです。思いっきり下手に出て、お願いして、上のパターンに持ち込む。やってもらうことは一緒。家事をしっかり担当してもらうんです、サラリーマンの意地と責任を持って(笑)。できないところには目をつぶって、少しでもできているところを、しっかり認めてあげる。「助かるわ~、あなたがお皿洗ってくれるようになって、ほら、特にこのお皿、ここんとこ難しいのよ、でも、ほら、キレイになってる。なんだかお皿も喜んでるみたい。輝いてるわよ!」な~んて、これ、嘘はダメですよ、嘘は、そんなのすぐバレます。本当のことをしっかりピンポイントでみつけて認めるんです。そのためにも、しっかり観察してくださいね、夫さんの仕事ぶりを。
がんばって離婚するっていうんなら別ですが、これからも一緒にやっていくならお互い楽しい方がいいでしょ。大事なポイントは、夫さんにしっかり役に立ってもらうことです。人は誰かの役に立ちたいんですよ、奥さんの役に立てれば堂々と?奥さんの仲間になれるんです。ATMでも役には立っているんですが、実感しにくいし、邪魔だし(笑)。
どうです? 家事をしてくれるATMならまぁ置いておいてもいいかなって気がしてきませんか?
読んでいただきありがとうございます。
今日もよい一日を。
生きとし生けるものが幸せでありますように。