こんばんは、鍵野です。
今、東京から妹とその息子、甥っ子が遊びに来ていて、せっかくだからどこかに連れて行ってあげたいなぁと思っていたんですが、予想よりも仕事が忙しく、まとまった時間が取れない感じであまり遠出はできないので、近場のお店に一緒にご飯を食べに行ったりしています。
東京にも山ほどあるでしょうと思いながらも、甥っ子のリクエストで去年の夏にも行った佐伯のインドネパールカレー屋さんに行ったんですが、今回もとても美味しかったらしく、甥っ子も妹もとても喜んでくれました。去年は息子も連れて四人で行ったら、夫婦に男の子二人の家族とお店の奥さん(ネパール人?)に誤解されて、素敵な笑顔で息子のことを「大きい子ども」、甥っ子のことを「小さい子ども」と呼ぶのがとても印象に残ってました。「小さい子ども、どう? 辛くない?」と聞いてくれたりして(笑)。
今回は、「大きい子ども」の方はまだ大学の期末試験中でこちらにいなかったんですが、甥っ子も一年経って水泳部で鍛えられて逞しく成長したこともあってか、「小さい子ども」とは呼ばれませんでした(笑)。それでもチーズナンはボリューミー過ぎたらしく、少し平らげるのをお手伝いしました。「来年は、普通のナンにする」と言ってました(笑)。やっぱりカレーと食べるには普通のナンに落ち着きますね、うん、うん。来年は高校受験を控えた夏になるので、受験生のお母さんになる妹は甥っ子の発言には???という感じでしたが(笑)。
あまりお構いもできないのですが、田舎を楽しみに来てくれるって嬉しいですね。徒歩と言わず自転車でも行こうかなと思える範囲内にコンビニもないところですが、海と滝はすぐ近くです(笑)。いい思い出をもって帰って欲しいなと願っています。
それでアドラー心理学の話なのですが、今週末土曜日に宮崎県小林市で開催される社会福祉協議会主催の講演会に呼んでいただいてます。『育児・夫婦・人間関係に役立つアドラー心理学』というタイトルで90分、定員20名で募集したところ、嬉しいことに定員以上の希望があったそうで、小林市在住在勤の29名の方が参加してくださると聞いています。ありがとうございます!
小林市、え?これってフランス語じゃなかったの?という、あの有名なYouTube動画を見たときにしっかりインプットされてました。西諸弁ネイティブの話を聞くのも楽しみです。質疑の時間をたっぷりと思ってるんですが、わからなかったらどうしよう(笑)。
それで、今日書きながら考えてみたいのは、その小林市の講演会でどんな話をしようかなぁということについてです(まだ決めてなかったんかい!(笑))。やっぱり聞き手が、お客さんが誰かというのが、何を話すかを考える前提条件としてありますよね。
もうアドラー心理学はかなり学んでいて、「カウンセラーを目指してるんです!」という人たちに向かって話すことと、「アドラー心理学、なんかどこかの記事でちらっと読んだことはあるなぁ…、面白そうだけど…どうなんだろう?」という人たちに向かって話すことは、それは違いますよね。
まず、事前に希望を出して参加してくださる人たちだから、「アドラー心理学」というワードには何らかの期待は持たれている方たちだろうなぁと。また、小林市に今のところ自助グループはないようだし、もう既にアドラーをしっかり学び込んだ人が参加することはないだろうから、「「エピソード分析」について知りたいんです!」ってこともないよなぁと。
やっぱり、「アドラー心理学って何? ちょっと覗いてみようかな 何か少しでもプラスになるものを持って帰れたらいいなぁ」というところを想定しておけばいいのかなと。
じゃぁ、「アドラー心理学入門」でいいのかなぁ…。いやいやいや、この「入門」ってむちゃくちゃ難しいですね、考え出すと。昔、子どもの頃、本屋さんで「~入門」という本をたくさん買うような質だったんですが、「釣り入門」、「将棋入門」、「麻雀入門」とかですね。道具の話、ルールの話、定石の話とか、いろいろ書いてあったように思います。でも、上手になるには結局は経験、場数というところに落ち着く気がします。少しでも上手になってやろうと思って、本を読みながら、経験したことに理屈をつけて体系化していく感じですかね。やっていることが楽しくて続けていけばある程度までは上達しますよね。
と、書いていて気づいたんですが、やっぱり「アドラー心理学入門」ではダメですね、今回の講演では。今回求められているのは、入門以前のところですよね。アドラー心理学という門の外で、まずはちょっと中を見てみたいというような方々かなぁと、もう学ぶ気がある人、自分で入門書を買ってしまう人(しまった人)も何人かはいらっしゃるかもしれないけれど、そこをターゲットにすると引かれるなぁ、確実に(笑)。
アドラー心理学の試食コーナーだな、目指すのは。コロナ禍で珍しくなりましたけど、コストコとかではまだみかけますよね。あれですね。美味しければ、買っちゃいますもんね、結構な人が。
じゃぁ、何を味見してもらえばいいのかというところになるんですが、いきなりアドラーのアの字も知らないかもしれない方々の前で、カウンセリングとか早期回想を使った勇気づけのデモンストレーションというのは、ハードルが高過ぎるというか、成立させるのも難しいし、できたとしても伝わらない可能性が高い気がします(もう少し人数を絞って、互いに初対面だったとしても、それぞれの知り合いの知り合いの範囲にはとどまっているという条件であれば、実績はあるのですが)。
それで、灯台下暗しというか…、アドラー心理学の命、アドラー心理学の本丸をいきなり伝えてしまえばいいのではないかと。つまり理論と思想ですね。そのシンプルさに「ガーン!」とか「ズキューン!」とか「ビリビリビリッ!」とか、目から鱗が取れないまでも、鱗の先に何か違った世界の可能性を感じる人が、何人か出てきたらそれでいいのではないかと、今、思いました。
みなさんが今暮らしている競合的な世界における支配的な価値観へのオルタナティブとしてのアドラー心理学の価値を味見してもらえたらいいのではないかと。大分県から4時間も5時間もかけて、嬉しそうに来た講師が、本気で、もうそれ以外にはほとんど執着がないくらいに価値があると確信しながら伝えようとしている、その何かは、伝わる人には伝わるのではないかなぁと、期待しています。
もし伝わらなかったとしても、その方たちがアドラー心理学に出会うチャンスはそうそうあることではないでしょうし、そこで、今の鍵野の精一杯のアドラー心理学をぶつけることができさえすれば、それはもう縁がなかったんだと(自分の実力も含めて)悔いも残さずに済む気もするので。
それで、一番効くのは、個別具体的にその人の気になっていることがアドラー心理学で見たらどう見えるのかというところの対話なんですが、時間も限られてますし、全員と対話するわけにもいかないので、まず前半で理論と思想のエッセンスをみなさんにぶつけてしまってから、質疑に入れる雰囲気を作っていって、その流れで、みなさんに聞いてもらいながらの個別具体的な対話を時間の許す限り行っていくという線でいいのではないかと思います。
きっと直接質問しづらい方もたくさんいらっしゃると思うんですが、それでも他の方の質問を他人事でない感じで聞いてくださって、何かを持って帰ってもらえるのではないかなぁと。
野田先生がなさっていた、質問を紙に書いて渡してもらうというのも、オプションとしては用意しておいた方がいいですかね。自分から手を挙げて声に出すのはちょっと…でも聞いてみたいという方もいらっしゃるでしょうしね。奥ゆかしい方が多そうだったらそうしてみようかな(笑)。
いつものことなのですが、ホワイトボードだけ用意してもらって、プロジェクターは使いません。経営コンサルタントとしてプロジェクターを使った講演をたくさんしてきたんですが、その反動ですね。ライブ感を大事に、聞いてくださる方と一緒に作り上げる感じで、そのとき出てくるものをお伝えしたいと思っています。シンプルなアドラー心理学をできるだけシンプルかつダイレクトに伝えられるようがんばります!
読んでいただきありがとうございます。
みなさまどうぞよい夜をお過ごしください。
生きとし生けるものが幸せでありますように。