<2023年10月10日wrote>
こんにちは、鍵野です。
今日の上浦も空気が軽くて爽やかで気持ちよく過ごせています。
じゃぁ何かアドラー心理学の本を読んでそれを知れば問題が解決するかというと…これはちょっと無理だろうと思います。私には無理でしたし、私の周りに、本だけでアドラー心理学を学べた人はいません。本を読んでできるのは、これまで経験してそれに名前を付けて知っていたこと同士に新しい関係付けをして、その関係に新しい名前をつけるということくらいだと思います。新しく学ぶ人にとって、アドラー心理学は、これまでに知らなかった一つの矛盾のないシステムなので、最初はどうしてもこれまで知っているシステムのどれかと関連付けて理解しようとします。でも、その理解だと必ず矛盾が起きます。だって、別のシステムだから。よく「それは〇〇〇の×××と同じですか?」と質問される方がいらっしゃって、先生方に「違います」と素っ気なく(笑)答えられて、それでもめげすに、同じような質問を繰り返され、同じような対応をされて(違うんだからしょうがないのですが)、早々にアドラー心理学から撤退される方がおられるようですが、もったいないなぁと思ってしまいます。その???と思ったところをぶら下げて(これアドラー心理学界隈でよく使われるジャーゴン(笑)で、すぐにどうこうしようとせず置いておく醸しておく感じ)、先輩方の発言や行動を観察していったり、もう一度本を読んだりしていると、ある日なぜか気になっていたところの矛盾が解消して、アドラー心理学の学びが大きく進んでいるのに気づくこともあるのになぁ…と。
あらためてアドラー心理学を学ぶ方法を整理してみると、
①カウンセリングを受ける:自分の気になっていることから体験的にダイレクトに学べるので、手っ取り早いですが、教えてくれる人から一対一で学ぶだけに、費用はそれなりにかかります。
②野田俊作顕彰財団(AIJ)や日本アドラー心理学会の講座を受ける:目的に応じた内容を(近くで開催されていれば)比較的リーズナブルに学べます。すでにアドラー心理学の使い手である先輩方も学んだことを錆びつかせないために参加していたりして、その雰囲気、言動からアドラー心理学が使える人ってこういう人なんだぁと大いに学べますし、モチベーションもアップするかもしれません(なのでオンラインよりリアルをおすすめします!)。※それ以外のアドラー心理学関連の団体が何をどう教えているのか体験したことがないので、もしかしたらいい学びもあるのかもしれませんが、お勧めはできません。
③野田俊作顕彰財団(AIJ)のパセージというグループ学習コースに参加する:お子さんがおられる方であれば、ぜひ、おすすめです。ご自分のお子さんとの困ったこと気になったことを、参加者みんなで、どう考えたらいいかどうしたらいいかと、一緒になって親身に考えてくれて、それだけでもかなり勇気づけられますし、実際に自分では思いつかなかったような方法を持ち帰って、具体的に自分の問題が解決して、それまでより家族みんながハッピーになれます。※日本アドラー心理学会ではエオレクトというオンライン対応も可能な新しい子育てのグループ学習コースがありますが、鍵野は体験したことがないので、いいのかもしれませんが(よかったという先輩もたくさんいらっしゃいますが)、お勧めはできません。
④自助グループに参加する:③のようにメンバーそれぞれの事例をみんなで考えることもあるし、あるテーマでディスカッションすることもあるし、一緒に本を読んで勉強することもあるし、仲間と一緒に暮らしの中で継続的に無理なくアドラー心理学を学び続けるベースキャンプになると思います。もちろん、世話役さん含め、アドラー心理学の先輩方と一緒に過ごすことで、アドラー心理学を体感できるのでモチベーションもアップすると思います。※大分でも自助グループをと願って、とりあえず稙田公民館の勉強会、おしゃべり会からスタートしています。ぜひご参加ください。次回は10/21(土)です。その次は11/18(土)を予定しています。
⑤本を読む:単独では誤解を深める結果になりそうでお勧めしませんが、上記①~④と併用すれば、本を読むことで学んだことが言葉になって、体系的な整理もできて、理解したことをスムーズに人に伝えることができるようになってくると思います。※まずは野田俊作先生の本をおすすめします!
という方法があります。単独ではなく、併用することで相乗効果が高まりますが、その人のニーズの強さ次第ですよね、時間とお金をかければかけただけ、ちゃんとリターンもあると思います。でも、そこまでしなくても、とりあえず自分の子どもとの関係がよくなれば、それで十分という方もたくさんおられます。
ポイントは、アドラー心理学を使えている人と会って一緒に過ごして、質問するなり観察するなり協働作業をするなりして、自分の疑問を解消する何か(言葉、振る舞い)を得て、自分の中で矛盾を解消する方向で理解が進んでいって、ようやくわかるようになり、使えるようになるということかなと思います。写真は先日食べて、よく食べるインドカレーの辛さと同じだろうとなめて+1で注文したら舌が痛くなってちょっと後悔したスリランカのカレーですが(真ん中はビーフンの山)、インドカレーのアレと似てる…とかって話すよりも、食べてみるのが一番です(笑)。そうやって、アドラー心理学も、アドラー先生以来、もう100年以上も実際に味わってその価値を確信した人同士、人から人へと伝えられてきたんですよね。本当にありがたいことだと感謝しています。
読んでいただきありがとうございます。
今日もよい一日を。
生きとし生けるものが幸せでありますように。