アドラー心理学で一緒に考えてみませんか

アドラー心理学カウンセラーの鍵野が気になったことのあれやこれやを綴ります

目的論は痛い(かも)


<2023年9月29日wrote>

こんばんは、鍵野です。
9月もあと数日、秋も本格化してきましたね。〇〇の秋というと、やっぱり…食欲の秋ですかね、まずは。週に1~2回はスーパーに行くのですが、秋らしい食べ物がたくさん並んでいますよね。食事が終わったのに、何かもう少しと…つい(これアドレリアンの禁句)食べなくてもよさそうなものにまで手が伸びてしまいます(笑)。冬眠するわけではないのにねぇ。
アドラー心理学は目的論の心理学だとよく言われます。これ、決して原因を考えないというわけではないんですよね。アリストテレスの四原因説に質量因、形相因、始動因、目的因とあって、目的自体、ちゃんと原因の一つに挙げられていますし。写真の熊本城で考えると、質量因は材料(木とか石とか)、形相因は設計図、始動因は城を作った大工さん職人さんたち、目的因は、隣国等との戦争に負けないため、威信を保つためとかです。
 目的論と言ってるのは、何か悩んでいる人が相談に来られたとして、その原因はなんだろうと、母親の育て方が悪かったからか…とか、あのときのトラウマ体験が…とか、という風に探すことはしないという意味です。そうではなく、何か悩んでいるのであれば、それはその悩むこと自体に何か目的があるはずとまず考えるのがアドラー心理学です。
過去の原因が、わかったところで、のび太くんのように、タイムマシンに乗って修正しにいくわけにもいきませんし…。それでも、そういうカウンセリングにニーズがあるのは知っています。原因がわかれば、今、自分が困っているのはその原因となったできごとのせいにできますからね。仕方ないよね…そんなことがあったのなら…って。でも、ですよ、例えば、子どものころにいわゆる虐待された記憶のある人みんなが我が子を虐待するようになるわけではないですよね。子どものころ家が貧しくて塾に行かせてもらえなかった、参考書もろくに買ってもらえなかった人の全員が大学に行かないわけではないですよね。ちょっと条件が悪い環境で暮らす人に、社会的なサポートは、そりゃぁあった方がいいけれども、それがその人の人生を決める決定的な要因にはならないですよね。
目的がわかると何がいいかというと、目的は未来の方に向かっているので、その人がその気になれば、その目的達成に向かう手段を工夫することもできるし、目的そのものを変えることも可能だからです。そして、手段あるいは目的が変われば、結果も変わるので、その人の力で悩みを解決できる可能性があるということです。そうです、もうお母さんのせいにしなくていいんです。お父さんのせいにしなくていいんです。あの嫌~な担任のせいにしなくていいんです…
ただですね、解決に向かうためには一つ認めないといけないことがあるんです…。これがアドラー心理学があんなにちまたで本が売れてる割には、あまり実践されない理由だと思うんですが…、いったん自分のせいだったんだと認める必要があるんです…。これ、きっついですよね、結局自分のせいだったのかと…。でも、自分のせいだからこそ、自分で変えられるんですよね、単純な論理ですが。だから、一人では、痛すぎて、それを認めるのがなかなか難しい。それで、アドラー先生以来、さまざまな人たち、先輩アドレリアンが、なるべく痛くないように相談に来られた方の人生を、より幸せな方向に変えていくためのお手伝いをする技術を磨いてきたんですよね。
鍵野も先生や先輩方のカウンセリングをたくさん見取り稽古させてもらって、仲間同士カウンセリングし合って、あぁこんなに痛いんだなぁなんて経験もしながら、なるべく痛くなくお役に立てる技術を身に付けてきました(まだまだ先輩方には及びませんが…)。まぁお稽古をしていると、「あ~そこそこ!」といった感じで、マッサージではないですが、ある程度痛いところに触れてもらわないと効かないという、マニアックな方向に進む人も出てこないでもないですが(笑)。
10月21日(土)の稙田公民館での無料カウンセリング、まだ一枠空いています。よかったら、(たぶん)痛くないカウンセリング体験してみませんか?
読んでいただきありがとうございます。
みなさまどうぞよい週末をお過ごしください。
生きとし生けるものが幸せでありますように。