こんにちは、鍵野です。
もう桜も葉桜になってきましたね。ちらほら見える緑の葉とのコントラストがかえって印象的で桜色が綺麗に映える気もします。
散る桜 残る桜も 散る桜
日曜日は都城でアドラー心理学の講師を務めてきたのですが、終わった後足を延ばして、鹿児島まで行ってきました。岬の景色が好きなので長崎鼻に行ってみたかったのもあったのですが、鹿児島にある、特攻隊の遺書等を展示している知覧特攻平和会館と鹿屋航空基地資料館にはいったことがあるんですが、もう一つ万世にもあると知り、見学してきました。
「散る桜 残る桜も 散る桜」とは、特攻隊として日本を、家族、同胞を守るために万世から沖縄に向けて飛び立ち散華された若者たちを歌ったものです。展示にも祈念館の受付でいただいた資料にも書かれていました。
遺書を読むと胸が詰まる思いがします。母や父、兄弟姉妹、残していく者たちの健康と幸せへの願いが綴られています。自分のことは悲しんでくれるなと。国のために、みんなのために、働けることが日本男子の本懐であると、立派に書かれていました。
写真を見れば、ほとんどが二十歳前後の(なかには17歳の人も)青年たちです‥‥
現在二十歳の息子の姿と重なって‥‥ なぜ愛する者たちがありながら、死ななければならなかったのか‥‥ いや愛する者たちがいたからこそ飛び立ったんですよね、決して戻ることのない旅へ
もう二度と若者に(いや老若男女問わず)このような遺書を書かせてはいけませんね。沖縄に向けて飛び立った一人一人の青年が、私利私欲ではなく、みんなのためにそのときできることとして、勇気ある決断をしたことに微塵も疑いはないし、そうして散華されたご先祖様たちを尊敬しますが、こんなことをしなければならないまでに日本人を追い込んでしまった当時の日本のリーダーたちは批判されるべきと思います。
米国を敵にせず、石油を確保して、イギリス軍に勝利するシナリオがあったにも関わらず、真珠湾攻撃などという愚挙でそのチャンスを棒に振ってしまった(とはいえ、ナチスドイツと手を握って連合国に勝利するという未来が世界にとっていまよりも望ましいものであったはずもないでしょうけれど、少なくとも特攻などしなくても済んだし、原爆攻撃もなかったでしょうし)。
戦争で儲ける人たちがいます。戦争は人を道具にすることの最たるものだと思いますが、今もこれからも、そんな悪だくみをする人たちが絶えることはないでしょう。
学習会のアンケートに「アドラー先生が生きていたら今の世の中を見てどう言うでしょうか?」というものがありました。きっと「こんな世の中だからこそアドラー心理学が必要なんだ」と答える気がします。
アドラー先生はアドラー心理学が忘れ去られることを望まれていました。アドラー心理学が呼吸をするように当たり前になって、その存在が意識されなくなる世界になるまでは、倦まずあきらめず、世界中のアドレリアン一人一人が自分にできる範囲でアドラー心理学を伝え続けていくしかないですね。
それで、都城の学習会講師、楽しく、本気のアドラー心理学をお伝えすることができたように思います。
20名の方に参加いただいて、アンケートを読ませていただきましたが、自助グループをやってみたい、自助グループに興味があるという方が何人もいらっしゃいました。嬉しかった!
そうなんです。自助グループが都城に生まれるかもしれないという期待があるからこそ、講師を引き受けたんですね。
アドラー心理学が人間関係の問題を解決できること、実践することで幸せに暮らせるようになること、人と人が競い合うのではなく、協力し合って暮らすための理論と技術と思想がアドラー心理学であることを伝えてきました。
本からだけでは学べないこと、実践しないと効果がないし意味がないこと、についてしつこく伝えてきました。
一人では実践できず、自分のことは自分ではわからないので、他人に見てもらうしかないこと、そのために自助グループのメンバーになって互いに助け合って学んでいくのがアドラー心理学であることを理解してくれる方が、たとえ数名でもいらっしゃるということは本当にうれしいことです。
共同体感覚を発揮し合える社会、人が人を道具にしないで暮らすことができる社会の実現に向けて一歩前進できた気がしました。
次回の都城での学習会は6月1日(日)の予定です。次回でとりあえずの最終回とはなりますが、自助グループ結成へのスタートとなる回となればと願いながら、満足いただける内容を準備していきます。
九州にお住まいで、自助グループ活動に関して、興味がある方はお気軽に鍵野までお問い合わせください。最低お二人集まっていただければ、自分心理学から脱却してアドラー心理学で考えることで、人間関係を良好にしていける技と心をお伝えします。無料とは言いませんが(無料は学ぶ方のためにもよくないと思ってます)、アドラー心理学で儲ける気はないので、無理のない範囲でご負担いただければ、喜んであなたの町まで伺いますので!
今日も読んでいただきありがとうございます。
みなさまどうぞよい一日をお過ごしください。
生きとし生けるものが幸せでありますように。