アドラー心理学で一緒に考えてみませんか

アドラー心理学カウンセラーの鍵野が気になったことのあれやこれやを綴ります

アドラー心理学との出会いと歩留まり

こんにちは、鍵野です。
昨日も今日も空気が冷たくて寒いです! 大分県でも一番南に位置する佐伯市の海岸線沿いに住んでいるので雪こそ降っていませんが、家の中でも暖房のないところに移動すると自然に身体が小刻みに震えてきて熱を産生しようとします。


頭で意識してやっているわけではなく、生存のために身体が勝手に動いてるんですよね。心と身体が協力して動き続けることで生きている、分割できない存在という意味での個人(Individual)なんだなぁと、アドラー心理学全体論を実感できるいい季節なのかも(笑)。


今、リビングでブログを書いているんですが、カーテン越しに日が差してくると少し暖かくなって、太陽、お日様の有難さを感じます。太陽信仰ってわかるなぁ…まぁ太陽さんにしてみたら人間のことなんか知ったこっちゃなくて勝手に燃えているだけなんでしょうけれども(笑)。


今日は、前にも書いたことはあるんですが、新年ということもありアドラー心理学との出会い方、出会ってからの学び方についてあらためて考えてみたいと思います。


アドラー心理学に出会うという場合の「出会う」の意味は、見かけたとか、聞いたとかいう意味ではなくて、そういうファーストコンタクトの結果として、その人がアドラー心理学を学びたいと思った時点で「出会う」、「出会った」ということにしたいと思います。


具体例で考えたいんですが、SNSで知人が「アドラー心理学」についてポジティブに書いているのを見た人が、興味を持ってググってみます。リストアップされたものから、なんだか小難しそうなのは置いておいて、とっつきやすそうなサイトを覗いてみます。ふむふむ、へぇ~、なんか変わった考え方だなぁ、そういう考え方があるのかぁ…、ふーん。というような感じで、そのときはおしまい。


数日後、買い物のついでに訪れたショッピングモールの本屋さんで、いつもは気にも留めなかった心理学関連のコーナーに視線を…、「アドラー」というワードがタイトルとか帯に入った書籍がたくさんあるのに気づく。へぇ~、どれどれ…と、適当なのを手に取ってパラパラめくってみる。ふーん、やっぱり変わってるなぁ…。2、3冊見てみて、たまには読書もいいかもね、とサッと読めそうなのを持ってお会計に。


本を買った時点で「出会った」ということにしましょう。検索するくらいはたいした労力とは思いませんが、本屋さんで本を選ぶ時間をかけて、それで身銭を切ってますからね。他にも、検索したら近々無料の勉強会がそう遠くないところで開催されるのを知って、そこに出掛けてアドラー心理学について聞いてきたというようなのも、お金こそ払っていなくても、他のこともできたであろう時間を費やして学びに行っているので、これも「出会った」でいいと思います。要は勝手に目や耳に飛び込んできた情報というレベルではなくて、自ら労力をかけて取りに行った情報になった時点でその情報について、学びたい認定=「出会った」ということにしたいと。


それで、青いベストセラー本「嫌われる勇気」が何百万部も売れていて、その他偉大なお師匠様である野田俊作先生のご著書を始めとして、えっ、なんでこれがアドラー?というものまで含めると、おびただしい数のアドラー心理学関連本が出回っているわけで、本での出会いに限定してでさえ、少なくとも何百万人かの人がアドラー心理学(のようなものを含めて(笑))と「出会った」のは間違いないと思われます。


ところがですね、アドラー心理学を学んでいる人、生活に取り入れている人、実践している人がこの日本にどのくらいいるのかと言えば…、何百万の人が出会ったと考えられるのに比べて、びっくりするくらい少ないんですね。


こんなの統計があるわけではないので実際のところはわからないんですが、無理矢理推定してみるとですね…、(日常生活での実践が当たり前というアドラー先生以来の教えを受け継いだ)野田俊作顕彰財団(AIJ)の会員(会友と言いますが)が数百人(まだ3~4百人くらいかと)、日本アドラー心理学会の会員が数百人(かつては千人以上いましたが7~8百人程度かな、今は)で、併せて千人として(他にもアドラー心理学関連団体はたくさんあって学習コンテンツはあるんでしょうけれど、実践という意味ではよくわからないのでノーカウントにしておきます)、その他両団体の会員にはなっていないけれど、会員の人たちと学んでいる人たちが、バブリーに多く見積もってその10倍いるとしても、せいぜい1万人しかいないのではと…。


数百万人がアドラー心理学と出会いながらも、多く見積もって1万人程度しかいない(そんなにいない気がしますが(笑))となると、歩留まりが悪過ぎますね(笑)、数百分の一しか残らないなんて。


これね、出会った本(とかその他コンテンツ)自体がよくないんじゃないかって、ちょっと思わないでもなかったんですが、でもですね、思い起こせば、鍵野が最初に野田俊作先生の講座で一緒に学んだ人たちの多くは、もう今はアドラー心理学界隈に残っていないので、コンテンツの問題ではなさそうな気もします。さすがは野田先生ですから、歩留まりは数百分の一ということはなくて、一桁上がって数十分の一程度かなという気がしていますけれど、でも、アドラー心理学に出会った人の多くは去っていくというのは、これはもう仕方がないことなのかもしれないなぁと…。


それに、どうせ本からは学べないんですしね、アドラー心理学は。だから出会った本なんてどうでもいいのかも(暴論ですが(笑))。


こうして考えていることの目的は、アドラー心理学を実践する人を増やしたいからで、なんで増やしたいかというと、これは私利私欲(笑)。アドラー心理学を実践する人が増えると自分が幸せになるからです(カウンセリングのお客さんも増えるかもしれないし(笑))。


アドラー心理学を実践する人を増やすには、どんなに歩留まりが悪かろうが出会いを増やせば残る人も増えるという方向と、歩留まりを改善する方向とが考えられます。


出会いを増やす方向は、「嫌われる勇気」以上の奇跡?はもう起きない気もしますし、焼け石に水(変な表現(笑))という感じがしないでもなく、もうサチってる状態にあるのかなぁ…という気がしてあまり効果的とは思えません。「我が子を有名私立中に入れるためのアドラー心理学」とか、「超難関大学合格のためのアドラー心理学」とか、「大手一流企業の内定をもらうためのアドラー心理学」とか、「アドラー心理学でモテる!」とか、「富裕層になるためのアドラー心理学!」とか、「病気を寄せつけないアドラー心理学!」とかって打ちだしたら出会いは増えそうではありますが、詐欺はいけませんものね(笑)。有名私立中に入れなくても、学歴がどんなでも、どんな仕事をしていても、モテなくても、貧乏でも、病気に罹っていても、実践すればどうしたって幸せになってしまうのがアドラー心理学ですから(気持ちいいとは限らないけれど(笑))。


とすると、歩留まり改善の方向かな、やっぱり。目指せ野田先生のレベル!で、数百分の一の歩留まり率を数十分の一に近づけることはできるのではないかと。


鍵野個人の経験で言っても、これまでアドラー心理学の勉強会などに来てくれた人のうち、ごく僅かの人だけが今でもアドラー心理学を実践されているというのが実情です。精一杯の力を振り絞ってお伝えしているつもりですが、本気でアドラー心理学を実践してご自分の人生を変えようと決意して動いてくださる方はごくごく少数なんですよね。それでも数百分の一ということはなくて、数十分の一のオーダーにはなっている気がします。


自らアドラー心理学を実践して、その効果を実感して、学び方を工夫しながら、その学び方を伝えられる人を通してアドラー心理学と出会うことができたなら、日本のアドラー心理学実践人口を十倍にすることは夢ではないと思います。目指せ十万人のアドレリアン@日本!。


実践する人が10倍になれば、「出会い」自体も自然に増えていくでしょうし、実践には至らず一度スルーしてしまった人がアドラー心理学に再び出会う機会も増えていくと思います。


ということで、こうして書いてみて、やっぱり暖簾に腕押しと諦めることなく、できることを、大分を始め九州各地での勉強会を企画してやっていこう!と思いました。


勉強会で出会ってもらっても、実践するための自助グループ活動がなければ無責任だよなぁ…と、自助グループ活動まで用意してからの勉強会かなぁと躊躇していたところがあったのですが、ニワトリが先か卵が先かという話ではないですが、そもそも本気になる人なんて少ないので、まずは出会ってもらって、そこでその人が実践したくなったら自助グループを自分で始めてもらえばいいかなと、そこまでの本気の人との出会いをまずは求めていくことかなと思いました。その人が本気でアドラー心理学を実践する気さえあれば、できるサポートをすればいいんですもんね。自助グループまで用意してから…というのは鍵野の自己欺瞞、安楽でいるための言い訳だったのかもしれません。


とりあえず大分での勉強会再開と佐伯の隣の延岡ででも勉強会始めようかな? 九州にお住まいのみなさま、お近くでアドラー心理学の勉強会をして欲しいというご要望がありましたら、遠慮せずぜひリクエストしてください。メールでもお電話でも、お気軽にどうぞ!

 
読んでいただきありがとうございます。

みなさまどうぞよい一日をお過ごしください。


生きとし生けるものが幸せでありますように。