こんばんは、鍵野です。
台風10号の脅威が去って、雨戸を開けて、浸水対策の土嚢も片づけて、通常モードに戻りました。
母が食パンを買ってきて欲しいというので、出かけてみましたが、やはりというか、そもそもスーパーは休業していて、ドラッグストアとコンビニに行っても、パン類はほとんど品切れ状態で入手できませんでした。そりゃぁそうですよね、物流も止まってるだろうし、避難生活に備えて買って行った人もいるでしょうしね。明日のパンは諦めました。
そういえば「明日のパン」って、鍵野は小さい頃から聞いてきた言葉ですけど、関東ではあまり使われない言葉らしいですね。朝にパンを食べることが多かった気がします。母も忙しかったし、手軽でよかったのかな? 今日食べるパンではなく、明日のパンを買うんですよね。東京に移ってからですが、すぐ近くにサンドイッチ屋さんがあって、朝、買ってきて、それを食べてから学校に行くという日も結構ありました。これは「明日のパン」ではないですね(笑)。
その頃住んでいたのは東京の市部でしたけど、歩いてすぐにちょっとした商店街があって、本屋さん、お肉屋さん、ラーメン屋さん、豆腐屋さん、八百屋さん、薬屋さん、駄菓子屋さんとかいろんなお店がありました。それぞれのお店のおじさんおばさんとももちろん顔見知りだったし、40年以上も前の話で、まだ大型店の出店が規制されていた時代だったからこそだったんでしょうね。デパートだけが特別という感じの時代…。イオンモール全盛の現代の子どもたちには想像しにくい世界かもしれませんね。商売をしている人もそのお客さんも同じ町の住人として一緒に暮らしていくのが当たり前だった世界。たいていのものは近所の○○屋さんで買うのが当たり前だった時代があったんですよね…。
今日は家族会議について考えてみたいと思います。「家族会議」というのは、家族でアドラー心理学を実践するためのベースキャンプのようなもので、基本でありながら、しかし、なかなか難しいところもあってうまく取り組めてないご家庭も多いアドラー心理学の一つのプラクティスです。
基本とは言いましたが、アドラー心理学の子育て学習プログラム「パセージ」の最後の方に出てくるプラクティスで、実際は、かなりアドラー心理学らしく動けるようになってからでないと難しいんですね。
前にも少し書いたんですが、鍵野はパセージを受ける前に、本で読んだだけで「家族会議」をやってみよう!と先走って、子どもたちにひどく迷惑をかけました。形だけ「家族会議」で、実際は、親父の命令伝達会議のようになってしまって、盛り上がらないというか…盛り下がるというか、嫌な感じで終わってました。
家族会議というのは、家族全員(未就学児はオブザーバー参加)が、仲良く協力して暮らしていくために、みんなで話し合っていろんなことを決めていくための会議体です。
そのためには、互いが互いのことを人として対等に尊敬し信頼できていることが前提になります。それができていなくて、鍵野が最初失敗したように、話し合う体をしてはいるけれども、「決めるのは自分!」なんていう気持ちで実施すると、すぐに見透かされますし、せっかくの大事な技法でもある「家族会議」を汚してしまって使えなくしてしまいます。
なので、いきなり重要な話題について話し合うのは、プレッシャーがかかって、力んでしまって、空回りしがちなので、やめた方がいいです。最初は、「今度どこに遊びに行こうか?」とか「クリスマスケーキ、どんなのにしようか?」とか、そういった深刻でなくかつ楽しいことをみんなで意見を出し合って決めていくのがおススメです。
全員にそれぞれ意見を出してもらって、できれば多数決ではなく、全員一致で決めたいですね。一回で決める必要もなくて、次回に持ち越しでもいいわけで、できるだけ相手を説得できる材料を用意しながら、話し合って、意見が割れてる場合でもいい意味での妥協点をみんなの協力で見出していきます。
我が家でも、旅行の行先とかも話し合って決めてましたし、面白かったのが、電子レンジが壊れたときだったと思うんですが、新しいのを買おうとなって、どんなのを買うか?という議題になったことがありました。まず目的を話し合って、こういうこととこういうことがしたいと。印象に残ってるのが娘がお菓子作りをしたいということで、オーブン機能が充実している必要があるねということになり、その目的に合った候補を調べる役割を鍵野がやることになりました。それで、次の会議で、3つくらいだったかな、候補機種を出して、最終的に娘の推しに、鍵野も息子も賛成して、シャープのあまり高くはないけどスチーム機能もあるオーブンレンジを買うことに決めたのでした。
今ではもっぱら冷食の温め専用な感じで活躍してくれていますが(笑)、当時は、娘だけでなく息子もお菓子を作ったり、親父も揚げないトンカツとか揚げないから揚げを作ったりして、みんなで、やっぱりこれ買ってよかったね、と喜んで、娘もその選択に貢献できたからだと思いますが、本当に嬉しそうだったのを思い出します。
そういった楽しい会議に慣れてきたら、やがて深刻な話もできるようになっていきます。家族が話し合って、知恵を出し合ってお互いの幸せのために貢献し合うためのベースキャンプとしての家族会議ができるようになれば、本当に心強いですよ。家事の分担の話から、病気の話や、お金の話、進学の話も、家族みんなの問題として話し合うことができるようになります。みんなで相談して作戦を立てて役割分担して実行するという、これぞまさに、アドラー心理学の目指す姿"Cooperation"(協力)の実践ですね。
「家族会議」やってみたいと思われた方もいらっしゃるんじゃないでしょうか? そうでしたらぜひ、生兵法で怪我をした昔の鍵野のようにならないためにも、野田俊作顕彰財団(AIJ)の「パセージ」を受講するのが一番です。子育ては卒業したから「パセージ」は…とか、近くで「パセージ」は開催されないなどのご事情がおありであれば、お近くの野田俊作顕彰財団(AIJ)の有資格者もしくは日本アドラー心理学会の有資格者をつかまえて相談してみてください。先ほども書いた通り、「家族会議」は、初心者がいきなりできることでもないのでおススメはしないのですが、でも、アドラー心理学を学んでいく中で、どこかではできるようになった方がグンと実践が楽になりますから、ぜひ取り組んみていただきたいなぁと思っています。
読んでいただきありがとうございます。
みなさまどうぞよい夜をお過ごしください。
生きとし生けるものが幸せでありますように。