アドラー心理学で一緒に考えてみませんか

アドラー心理学カウンセラーの鍵野が気になったことのあれやこれやを綴ります

わざわざお金を払って相談する人がいるのか

こんばんは、鍵野です。
いやぁ~、台風10号、凄い雨でした(過去形にしていいのかな?)。鍵野の家の裏の川もお昼過ぎくらいには溢れる寸前という感じで、そろそろ2階に非難しないとかなぁと思っていたんですが、午後3時過ぎくらいから雨が弱まってきて、川の水位も下がってくれました。ひとまずよかったです。


雨が弱くなって、ツクツクボウシも鳴き始めて、あれなんか嬉しいですね。他の生き物が元気に活動しだしたのがわかると、こちらも安心するというか、彼らの生きるためのセンスを信頼できる感じもあって、大きな危機は去ったんだなと思えました。それでも、明日もまだ台風は九州にいるようで、佐伯市はもうそんなに雨は強く降りそうにないですが、土砂崩れの心配もあるし、警戒していようとは思っています。


これから強い雨風にさらされる地域のみなさま、どうぞご安全にお過ごしください。そういえば、今日から野田俊作顕彰財団(AIJ)のカウンセラー養成講座の後半が始まってるんでした。滋賀県はどうなんだろう? 琵琶湖で高波とかはないんだろうけども(あるのかな?)… 受講生のみなさん最後まで力を発揮できますように。そして、アドラー心理学カウンセラーが誕生されますように! 応援には行けませんが、みなさまがアドレリアンとして納得いくまで成長されることを願っております。


今日はお金を払って人に何かを相談するということについて考えてみたいと思います。これまでまったく人に相談なんてしたことがないという方もいらっしゃるかもしれませんが、小さいころからのことも含めて、何かしら誰かに相談したことがあるという人の方が多いのではないかなと勝手に思っています。それでも、お金を払ってまで相談したという経験がある方はあまりいらっしゃらないと思います。何かのサービスを受けるための前処理としての相談という意味では、それこそ病院や美容院とか薬局とか、普通に経験があると思いますが、相談だけのためにお金を払ったというのはあまりないのではないでしょうか。


鍵野はといえば、じつはアドラー心理学を学ぶまで、人に何かを相談したことはありませんでした(覚えている限り)。それこそライフスタイルだと思いますが、親にも妹にも学校の先生にも上司にも同僚にも何かを相談した記憶がありません。自分で考えて自分で決めて自分で実行して(よくも悪くも)自分で結果を味わうという生き方をしてきました。


そんな人に相談をしたこもない人間が、人から相談を受けてお金をいただく商売をしようと脱サラして始めたのが経営コンサルタントという仕事でした。実際は、セミナーをしたり、計画立案をしたり、調査報告書を作成したり、何らかの作業だったり納品物があったりすることも多くて、相談だけでお金をいただくというのは、売上全体から見ればそんなに多くはありません。


他に、相談を受けてそれでお金をいただく仕事としては、(心療内科、精神科)医師、(心理)カウンセラー、経営コンサルタント、弁護士、占い師ですかね? あっ、コーチングもそうかな。 医師は診断して薬も処方するわけで相談がメインのサービスではないでしょうし、弁護士は具体的な事件を受任してそこでの弁護の仕事で稼ぐための入り口としての相談で、相談が本務ではないでしょうし、その場で相談を受けること自体が即価値提供になっている商売というと、カウンセラーと占い師とコーチングなんですかね、そうすると。


それで、公的サービスが普及している日本の場合には、「お金をいただく」サービス提供者と、相談者であるサービス利用者と、「お金を払う」公的機関という三者関係の中で、「お金を払って人に何かを相談する」ことが成立している場面が多々あって、相談というサービスをわかりにくくしている面があるように思います。


経営コンサルタントの仕事でもしばしば発生するのが、相談する事業者さんからはお金をいただかないけれど、公的機関からお金をいただくケースです。これだと、事業者さんの財布は痛まないし、気軽に利用してもらえますよね。こういった経営相談の公的サービスは大変普及していて(その一端を担っているわけですが)、相談にお金を払う必要があるとは思っていない方が多いような気もしています。


本当は、公的機関を間に挟まず、民民契約での経営コンサルティングの方が、素直でやりやすくて効果的だとは思っているんですが、まず先にコンサルティング料を払うわけでその分儲けが減るのだけは確実ですから(笑)、飛ぶように売れるというわけにはいきません(笑)。ありがたいことに鍵野も開業以来、ずっと使ってくださっている会社さんもありますが、それは普通ではなくて例外ですね、あくまで。こちらから、「そろそろ大丈夫そうですから、今月でやめましょうか」とか言うくらいなので(笑)。


カウンセリングにしても、公的サービスとして無料で相談を受けられるところがたくさんありますよね。電話はもちろんLINEでの相談も受けているところがあるとか。こうした経営以外の分野でも相談にお金を払う必要があるなんて考えもしない方が多いのではないでしょうか。


民業圧迫!とか言うつもりはないんですが(笑)、こういう状況では、カウンセラーとして独立して自分でお店を張ってやっていくという人はなかな出てこないですよね。専門の大学院まで行って勉強して、臨床心理士とか公認心理師とかの資格を取って、心理の仕事で食べていくとしたら、公的機関の職員に採用されるくらいしか道がないのかなぁと。あるいは非常勤で公的な仕事をしながら、カウンセリングルームでも仕事をするとかですかね。相談でお金をいただいて仕事をしている臨床心理士さんは全体の8%くらいというデータを見たことがあります。それだけの勉強をしてて…、なんか歯がゆいというか、もったいないというか…(しかも、大変残念なことに、臨床心理士とか公認心理師になるための勉強の中で、アドラー心理学はまったく教わらないはずで、アドラー派のカウンセリングがしたい人はそこからさらにたっぷり時間とお金をかけて学ぶ必要があるんですよね…)。


そんな中でも、わざわざお金を払ってこんな田舎に相談に来てくださる方がいるにはいるんです。ありがたいことですよね。経営相談ならまだしも、普通、カウンセリングとなると口コミというのはかなり難しいんですよね、悩んでいるということを知られたくないという人が多いでしょうから、日本では、まだ。それでも、中には紹介してくださる方がいらっしゃって、その方のおかげでたくさんの方の相談を受けることができました。少しはお役に立てたようでもあり、本当に感謝しています。ありがとうございます!


他に、ホームページやFacebookから鍵野の活動を知っていただいて、相談してくださった方もいらっしゃいます。これも本当に嬉しいです。ありがとうございます!


開業当初に、少しだけネット広告を打ったことがあるんですが、あれは見事に空振りでした(笑)、いい勉強にはなりましたが。


開業して1年経ってわかったことは、
1.お金を払ってでも相談したいという人はいた(思ったよりたくさんいそう)。
2.何らかの理由でディスカウントすると喜ばれた(やっぱり利用者にとっては安い方がよさそう)。
3.高いから相談できないという人はいなかった(短い間隔で相談できるようにある程度お金を用意してから始めたいという方はおられたが)。
4.全員とまでは言わないが、来た時よりも明るい見通しを持って帰られる人がほとんどで、やっぱりアドラー心理学は効果的だった。
5.何度も来てくださる方もいた。
6.県外から往復数時間かけてでも相談に来てくれる人も何人かいた。
7.紹介もなしで鍵野とまるっきりの初対面というのは、ないことはないがかなりのレアケースだった。

ということで…、公的機関の無料相談があるからどうこうというのは、そういう論旨で書いていくつもりだったのですが(笑)、鍵野についてはあまり関係なさそうだと、今、書いていてわかりました(カウンセリング一本でこれから家族を養っていくというような若い方であれば切実に関係があることだとは思いますが)。


もし、無料にしたところで相談者が来てくれるわけでもなさそうです(アドラー心理学に申し訳ないのでしませんが(笑))。


結局、鍵野の知り合いの知り合いくらいまでの範囲でしかお客さんはいらっしゃってないなと(笑)。


ということは、もしお客さんを増やしたいのであれば、知り合いを増やすしかないのかな… うーん、古典的ですね、経営の本で書いた気がする(笑)。


知り合いと言っても、かつて経営相談を大々的にしていたときに知り合った人たち(相談してくれた人たち)はアドラー心理学のお客さんとしては誰も来てくださっていないので(いいんですけどね(笑))、そういう知り合いではなくて、やっぱり「アドラー心理学」に興味のある知り合いを増やさないといけないんでしょうね。


そもそもお客さんを増やしたいのか? と聞かれたら… うーん、少し…ですね。少しは増やしたい気持ちがあります(笑)。そんなに忙しいのもイヤなので(笑)。


やっぱりいろんなところで勉強会をした方がいいのかなぁ?(大分の勉強会を終了したばかりだけど(笑))


口コミが強力なのはわかっているんですが、あまり人に言いたくはないでしょうから(この前提ひょっとして間違ってる? 間違ってたらぜひ教えてください)、匿名性のある口コミですかね、食べログみたいな? どうなのかなぁ…、直接信用している人に勧められるのとはわけが違いますもんね。でもないよりはいいですかね? 利用しての感想みたいなものを何人かの人にお願いしてみようかなぁ?


美容院がその腕を競うように、カウンセラーが腕を競って、お客さんを獲得していくという世界になったら、アドラー心理学が勝つもんねというようなことを野田先生がどこかでおっしゃっていましたが(こういう競争はいいんですよね(笑)、切磋琢磨)、そういう世界は…来そうにないですね、この日本では、まだまだ(笑)。


しばらくは無理せず、遠いかもしれないけど来てくださる方中心に、必要に応じてアドラーカウンセリングを提供できる環境を維持していこうとあらためて思いました。

 

そうそう、近くにアドラーカウンセリングができるところがあれば相談したいという方がもしいたら(メールででも)教えてくださると嬉しいです。すぐに対応できるわけではありませんが、せっかくアドラーカウンセリングに興味を持たれている方がいるとわかれば何か手立てはある気がしています。どうぞよろしくお願いします。


今日も読んでいただきありがとうございます。

みなさまどうぞよい夜をお過ごしください。


生きとし生けるものが幸せでありますように。