こんばんは、鍵野です。
先週末、仏教のお師匠様であるスマナサーラ先生の、大分市は明野の明西寺さんの招きによる講演会に参加してきました。コロナ過で間に1回だけ開催されなかった年があったとのことですが、今回で15回目、16年に渡って年に一度、スマナサーラ先生のご法話を大分で聞くことのできる機会を提供してくださってきたということです。
スマナサーラ先生がご高齢であることもあり、飛行機での移動にリスクもあるということだと思いますが、大分での講演は今回で終了ということでした。
お釈迦さまの教えに大分で出会えるこの上ない貴重な機会をずっと提供してくださって、明西時さま関係者のみなさま、本当にありがとうございました。
鍵野は3年連続で参加させていただきました。最初に参加したのは娘が亡くなって2週間くらい経ったころでした。数少ない親友とも呼べる人と一緒に参加したのですが、ご法話と共に、最後に娘のことで質問させていただいて、厳しくも慈しみに満ちた明るいご回答をくださって、どこかで新たな生を営み始めたばかりであろう娘のためにも、執着せず感謝しながら明るく暮らしていこうという勇気をいただけました。
2回目の参加の昨年は、親友でもある元妻と一緒に参加できました。奴隷プログラムで生きている我々についてのご法話で、本当にそうだなぁと納得しました。質疑の時間には、なぜ、別の心を持つ別の生命であって自分が生き残るわけではないのに、生命は子どもを作るのか、というような質問をさせていただいて、それも奴隷プログラムなんだ、騙されているんだと、明快な回答に納得しました。
そして今回は、息子と母と一緒に参加できたのでした。決して無理やり連れて行ったわけではなく(笑)、こういうのがあるけれど一緒にどうですか?と誘ってみたら、息子も母も興味がある、スマナサーラ先生のお話を聞いてみたいということになったのでした。
とても嬉しかったです、自分の特に大事な人たちがお釈迦さまの教えに出会えたということが。その縁をこれからどう活かしていくかはそれぞれの仕事だと思うので、ときおり居眠りをしながら聞いていた息子の様子を見てもマイナスの感情は起きませんでした(笑)。スマナサーラ先生の大分でのご法話、質疑を入れてですが3時間半あるんです! その間中、高齢の母も集中力を切らさず、メモを取りながら聞いてくれたのも嬉しかったです。
『人生で一番大事なこと 無数の束縛からの自由を目指す道』という明西寺さんの設定されたテーマに従ってのスマナサーラ先生のご法話でした。そう、自由を目指しているんです、鍵野も。まだまだある束縛、渇愛をなくしていくにはどうすればいいのか。印象に残った教えは、仏教は科学だけど、科学のように仮説を立ててデータを集めて判断するのではないと。判断はいらないんだと。判断しなきゃいけないということはまだデータが足りないんだと。だから、科学の結論は、後から別のデータによって否定されてしまう。仏教は、判断がいらないところまでデータを集めて集めて、それで終わりだと。あっそういうことや、と。そうしたら渇愛がなくなるんだと。タネを知ってしまった手品にびっくりできないように。
そうだなぁ…、まだこうしてブログを書いていたり、野田俊作顕彰財団(AIJ)の今度の練成講座やっぱり参加したいなぁと思ってみたり、もう少しカウンセリングのお客さん来てくれてもいいのになぁと思ってみたり(笑)、座る瞑想(ヴィパッサナー)をしてても夜遅くなると眠くなってきて、寝よう!と寝る方を選んでしまったり… 無智を無明を破るだけのデータがまだまだ足りないんですよね。
それで、今回が最後ということもあったし、その一番気になっている自分の課題、夜寝てしまうこと、お釈迦さまは睡眠に厳しかったという話を聞いていながら、やっぱり眠気に負けてしまう情けない自分の状態について、素直にスマナサーラ先生に質問してみたのでした。
スマナサーラ先生はやはり厳しくも慈しみに満ちた回答、鍵野にとってあまりにもありがたい教えをくださいました。「一番だらしない状況やと思いますよ」「間違って人間に生まれてきたんだ」「心が居心地のよいところに落ちたいんだ」「これを破ることは自分の仕事なんです」「負けるか勝負するか、勝負に出たら負けることはカッコ悪くないんです」「これは試合に出たくない、出たくないために言い訳探してるんですね」「私のアドバイスじゃなくて、ご自分が自分の理解でなんとかしなくちゃいけない」「人格向上すると消えます」「心が成長プログラムに入っちゃうと眠気は邪魔しないんです」「着々と人格向上してやるんだという覚悟でやらなくちゃいけない」「失敗ゼロで成功しようと思うのも怠けです」「お釈迦さまも6年間も失敗したんですよ、あれほど偉大な人物が」「精進してください」と叱咤激励してくださいました。
これはどんなカウンセラーにもできない仕事ですね。ズバッと心の奥に入ってきました。相談者さんに自分の意見を言わずにどう気づいてもらえるかがカウンセラーの腕の見せ所なわけですが、心の清らかな方にカウンセリングトークはいらないんですよね。質疑の中で、じーっと先生がこちらの心の波長を読んでいらっしゃるのを感じました。当たり前ですが、お見通しだったんですよね。
貴重な、先生のお時間、一緒に講演に参加してくださっていたみなさんのお時間をいただくことで、受けることができたこの教えを肝に銘じて、たとえ何かの間違いであったとしても、人間として生まれることのできたこの機会を二度とないであろうこの機会を無駄にすることなく、精進します。
スマナサーラ先生、ありがとうございます!
読んでいただきありがとうございます。
みなさまどうぞよい夜をお過ごしください。
生きとし生けるものが幸せでありますように。